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毎日が日曜日 (新潮文庫)

価格: ¥935
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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世の中、変わらないことが多いのか ★★★☆☆
 仕事と家庭、定年後の生活、企業内での立ち回り方などについて、様々な悩みに立ち向かっていく主人公たち。時代背景の違いから、詳細は違えども、現代も悩みの原因は変わらないのだなぁと感じました。また物語の中で、文字通り密林を切り開いての農場開発や、京都の独特の風習(?)など、様々な世界観が描かれて勉強になります。
 このように、いろいろな事柄が詰め込まれた内容のため、社会人であればどこかに共感するところがあると思いますが、主題は読む人によって変化するのではないかと感じました。
 ひとつ私が驚いたことは、私にとっては、最近10年ほどの大きな変化と思われていた企業を取り巻く状況が、30年以上前のこの作品で、すでに描かれていることです。外資企業による国内企業の吸収合併、完全実力主義の昇進制度、リストラへの不安などなど。舞台が、世界を相手にすることが前提の商社であることが関係するのかもしれませんが、雇用制度の変化は、すでに始まっていたということですね。そう考えると、現代はさらに別の変化が、すでに始まっている可能性もあります。その時々で、自分にとってベストな人生を歩むためにはその動きをいち早く察知する必要がありますが難しいですね。
 残念なのは、終わりが尻切れトンボなこと。でも、社会人の生き方を描いた作品で、そこに正解はないので、それで良いのでしょう。読者が、それぞれ感じることを感じる作品だと思います。
50才を過ぎて読むと感慨もひとしお ★★★★☆
30数年前、読売新聞に連載されたものを纏めたもの。当時、私は新入社員で、城山三郎氏の名前も知らず、ましてや定年という概念は頭に無かったのだが、不思議と内容は覚えている。微かな記憶では、この頃、「毎日が****」という言い回しが流行ったのではないか。

主人公は商社の花形部分に務めていたが、50才を過ぎて、いわゆる窓際に追いやられている。ちょうど現在の私の境遇に似ていて、かつて感じなかった感慨を覚える。昔、読んだ時は、窓際になって、「毎日が日曜日」の境遇になるって悪くないんじゃない、という未熟な感想しか持たなかった(私はソフトウェア開発者として滅茶苦茶忙しかった)。作中の主人公は、それでも可能な限りチャレンジするのだが、虚しく終るのである。そして、与えられた雑務を黙々とこなすようになる。城山氏の他の作品のように、ドラマティックな展開や逆転劇はなく、特に後半、静謐感・諦観に包まれるのだが、これが却って現実感をもたらしていた。昔は、終盤が平板ではないかと思った事を考えると、同じ本でも読む時期によって受ける印象が随分異なると感じた。

最後は、主人公と読者の励まし合いのような形となる(読者が同年代の場合)。定年を間近に控えた方たちへの応援歌として、いつの世でも活力を持つ本。
一風変わった作品 ★★★★☆
偉人伝を中心とした城山さんの本からは、一風変わった作品になっているように思われる。

高度経済成長に全力を尽くした、個々のサラリーマンの視点。出世した人の視点と出世できなかった人の視点。家族の視点。会長の視点。社長の視点、とサラリーマン組織を様々な視点から捉えている点がとても面白く参考になる。

変わるものと変わらないもの。組織に対する忠誠と、出世に対する情熱は、何十年たっても組織人としては共有できる普遍性がある。一方、現在の組織の中の「個」の在り方とは、たぶんに違いを感じられる。昭和ひとけたの人たちは、役職を超えてこの国を支えたんだなと、改めて思った。ずいぶん、個人主義になったもんだと。

ただ、カタルシスがあまりなく、主人公がいまいち出世しないのに若干不満を覚えるのは私だけだろうか。ま、題名が題名だけにそれも納得。

面白い企業小説です ★★★☆☆
企業小説が少ない頃は読まれたんでしょうね。別に今読まなくてもいいと思います。
サラリーマンの影を描いた名作!! ★★★★★
「毎日が日曜日」という題名から想像していた内容とは180度異なる内容で、興味を惹いた本書。

商社マンの世界に沿って書かれていますが、実際はすべてのサラリーマンに向けて書かれているといっても過言ではない。仕事とプライベートの現実的な意味での線引きや、サラリーマンの孤独、現実の厳しさを小説の中で伝えています。

城山さんの社会に対する洞察眼が冴えわたった一冊。
仕事に疲れたとき、行き詰ったとき、ターニングポイントに立ったとき、この小説を読むと方向性が見えてきそうです。

商社マンだけでなく、すべての働く人に見てもらいたい企業小説の名作!