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知覧からの手紙 (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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知覧からの手紙 ★★★★★
YouTubeで惜別の歌【穴沢利夫追悼FLASH】を見て購入致しました。恋人への手紙で有名な穴沢利夫大尉は恋人を残し25歳で戦死されましたが、多くの人々の尊い犠牲の上に今の日本は存在していることを決して忘れてはいけない、後世に語り継いでいかなくてはけないと思います。
いずまいを正して読む本 ★★★★★
 本書は、水口文乃さんが伊達智恵子さんの話を聴き取って記録したもの。智恵子さんは、太平洋戦争中に特攻隊で戦死した穴沢利夫少尉の婚約者だった人。二人の出会いから、陸軍飛行隊入隊、婚約、そして戦死までが語られている。

 文部省図書館講習所で出会った、文学を愛好する二人だけに、やりとりする手紙も二人の関係もまっすぐで気品が感じられる。
 そして、戦争が深まり、穴沢さんが死に向かっていかざるを得なくなっていく切迫した時代に、二人の愛を懸命に模索している姿は胸に迫るものがある。

 「あなたたちは、命は尊いものだと教えられているでしょうけれど、あの時代は、命は国のために捨てるべきものだったの。今とは、あまりに価値観が違うから、わからないと思うことも当たり前かもしれないわね」、「間違った事実が伝わらないように、今、話しておかないと」という気持ちで丁寧に語られた話。

 私は、何気なく読み始めたが、次第に引き込まれ、背筋を伸ばして、いずまいを正して読ませていただいた。
 「戦争の悲惨さ」とか「悲しい」とかいうような、安直な言葉をよせつけない深い本です。そして読むに値する品格のある本です。
僕ら若者からみて ★★★★★
私の叔父は学生の時出兵し、太平洋戦争から生還し現在も健在してます

年のせいか、柔らかくなり厳しい言葉を言わなくなりました。

当時の男性の生活習慣から生まれるものは今の時代だとだれもが持つことはできない

なぜならもうじき死ぬ事を前提に生きるという時勢に、僕ら昭和後期、平成生まれの若者は知ることができない

本書に描かれている穴沢利夫さんの「これから自分の言動を制限する」といったメッセージ・・・つまり覚悟の1種でしょうか

太平洋戦争戦場で帰還きた叔父にもそのことがどのようなことかを経験し言葉にならない雰囲気というのでしょうか。あります。

昭和激動の時代を生き抜き日本再建の大黒柱となった今の70歳〜90歳代の方々には僕らは頭が上がらない

そして今思うのが、日本のために命をささげた方たちは今の政治家などを見てどう思うでしょうか・・・

小泉以降の内閣総理大臣たちの辞任の理由を聞くとどう思いますか?

国を代表するという意味を理解している現在の政治家はいないと私は感じてなりません

太平洋戦争は昔ではありません。今まさに人々が争い、帝国的な考え以外は参考検討し日本を見直すべき時が来ていると感じます
歴史の証言だろうか ★★★★★
当時の純愛を知ることも出来る、当時の日本人の姿を知ることも出来る、そういう一冊だと思います。
かつて知覧特攻平和会館に両親と見学に行ったことがありますが、昭和50年代に生まれた私にも、何か通ずるものがありました。そういう記憶を辿りながら、「知覧からの手紙」を読みました。

この本で書かれている物語は伊達さんの記憶を聞き取った内容であり、それが60年以上も昔の主観ですから、時代認識などについては正確ではない点もあるだろうと思います。しかし、それはそれとして歴史を断罪する人たちにも読んで欲しい。裁く前に、歴史を語る人の声をしっかりと受け取ることが大切なのだという気持ちになる本でした。

実は途中「あれ?」と思うような言葉や感覚が含まれますが、それは著者によるものか、伊達さんの言葉なのか詮索しても始まらないので、極力素直に言葉ひとつひとつを受け取りました。こういう人の大切な思い出は美しいままに心に留め置きたいものです。

日本人にとってあまりにも辛い闘いだっただけに、当時の点景に過ぎないかもしれませんが、こういう生の声を知ることは、私に何事かを考えさせるきっかけとなります。
 その人にも自分にも忠実に、潔く生きる ★★★★★
 論評はいつでも加えられる。大事なのは、次第に少なくなっている戦争体験者の生の声を聞きとっておくことである。著者は、自分と同世代の、祖父母世代が戦争を体験している年齢のようだ。直接戦争の語り部とはなりえないだけに、感情移入せずありのまま聞き書きし、伝え残す援助をしている。八十四歳の伊達智恵子さんをふとした機縁で最近知って「女性に残した戦争の影」を入念に追った記録である。何人もの特攻隊員の遺書などを一まとめにして出版したものをよく見かけるが、本書は一人の女性のかなえられなかった戦中の道程が淡々と、しかも生き生きと語られていて、小説を読んでいるような気がする。
「将来のためには、過去の一切を忘れ得るのが、真に強き者である」「誰も恨まない」ように生きてほしいとの言葉を遺して飛び立っていった恋人。本書タイトル「知覧からの手紙」は、特攻隊員として出撃する直前にしたためた手紙である。その遺品を後生大切に戦後六十年を潔く生きてきた女性。自分自身では書き残そうとはしないでいた実話を著者に語り聞かせてくれた【心に響く純愛物語】である。
 本書の語り手「私」は著者ではなく、主人公伊達智恵子という実在の人物である。遺影の前にたたずむ写真も口絵に添える。それだけに現実感をもって迫ってくるものがある。「幾久しく健在であれ」「その人の分も生きてください」と祈る。
 自分を励ますように、最期まで前向きに、潔く生きようとする。遺書は次の言葉でしめくくられている。
  今後は明るく朗らかに。
  自分も負けずに、朗らかに笑って征く。