この『逐語』の迫力!
★★★★★
感動するはずはない。
カウンセリングの『逐語』でさえ、その場面に入り込むのはむずかしい。
ましてや、エンカウンターグループの『逐語』なのだ。
...この本を手にした時は、このように考えていた。
読み始めて、LSDの経験者がその効果(影響?)と今でも襲われるフラッシュバックに
ついて語り始める頃から、内容に引き込まれていった。ここを過ぎて、中盤からは一気に
空気が変わっていく。メンバーの語りに引き込まれていくのがわかる。
...ふっと、我にかえると、...逐語でこれが伝わってくるのか...そんなことに気づいている
自分がいた。
...しかし、年齢も経歴もこれだけ異なるメンバーで よくも、グループエンカウンターを
やろうと思いついたものだと...感心する前に、(良い意味で)あきれてしまう。無謀だ。
ビデオまで撮って記録として残そうとしたのだ。もちろん、公開するかは、内容をみて
から...という考えもあったのだろう。が、こう考えたとしても 実際にやってみようという
ところまでいかないものなのだ。
年齢によらずに ファースト・ネームで呼びあえる文化、ということもあるのだろう。
この一点でも、日本ではここまでいくのは むずかしいだろうと思う。
カタカナの名前が覚えられずに...これは誰だったか...と本の最初に戻る手間もあった。
...と、☆の数を減らす理由は、いくつかある。
それでも、エンカウンターグループの『逐語』の迫力を教えてくれた本という意味では、
文句なしで この評価にしたい。