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8月15日の特攻隊員

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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その着眼点は評価します。 ★★★★☆
『宇佐海軍航空隊始末記』と『遥かなる宇佐海軍航空隊』という本がある。地元で酒蔵を営まれながら、脚本家でもある今戸公徳氏が著されたものである。その今戸氏の著された著書の中に、「私兵特攻」とも「最期の特攻」ともいわれる宇垣海軍中将が率いた特攻の話が出ている。
 11機の彗星艦上爆撃機が大分航空隊から飛び立ち、11名の操縦員、11名の偵察員、そして宇垣司令官の23名が沖縄方面に向けて特攻隊として飛び立っている。それも、8月15日正午に流れた玉音放送の後にである。

 この特攻隊の一員として搭乗していたのが、本書の著者である吉田紗知氏の血縁者であったことから話しが始まるが、その縁者が大木正夫上飛曹21歳である。敗戦後60年以上も経過してのルーツを求める旅に著者は何を求めたのか。何がそこまで衝き動かすものがあったのか。消え行く戦争の悲劇をあらためて掘り起こす意味は何なのか。包み隠さずに述べてある20代の女性の言葉に惹きこまれていった。

 特攻隊の記念館が残る知覧とは異なり、宇佐海軍航空隊のあった大分県宇佐市にはわずかばかりの遺物があるだけで、この航空隊が特攻隊員を擁する基地であったことなどは誰も覚えてはいない。
 しかし、今戸氏の著作が特攻隊員として出撃していった若者達の慰霊碑となり、さらに吉田氏のような戦争には無縁の方が特攻の惨劇を書き残すことで、平和への願いへと連なると信じる。
 各人には各人の戦記があるといわれるが、これは新しい分野の戦記の始まりと思う。
 着眼点は評価するが、少しとはいえプライベートが絡むと私小説になりがちなので、これは控えた方が良かったのではと思う。

 大分県の宇佐神宮は武運長久を祈願する社であり、宇佐海軍航空隊の隊員も出撃前には参拝していた。もしかしたら、大木正夫上飛曹の遺品が奉納されているかもしれないが、著者はそこは確認されたのだろうか。


ん〜 ★☆☆☆☆
祖父の死から始まり、
事実を調べて、ただ勝手に解釈をして、
ただ結論をだし 満足した、という感じがしました。
8月15日に 飛び立った 特攻隊員たち の話し、 では 無く、、、作者が、主人公の本でした。

しかし、その時 旅立った 隊員たちの 手記、手紙や言葉、遺言は残って 無かったのでしょうか?
大切な 隊員たち ひとりひとりの 気持ちは ?
私には そちらの方が 大切だと思い そちらの方に 惹かれます。


しかし、恋愛の無い彼氏の作り方って、、、? 

理解出来ません。
ソーユーカイ。。。
新たな視点の書籍 ★★★★★
良い評価を付けた方と同じような感想を持ってこの書籍を読み終えました、とにかく久々に一気に読んでしまう良い書籍でした。

史実を発掘する書籍としても、今まで伊平屋島の突入機が宇垣長官の機としてしか注目されていなかった事を、アメリカに眠る遺品・新たな証言・公文書の裏付け等により2機目の後藤機の突入を調べだし、新たな史実の局面を導き出した書籍だと思います。
これを機に他の研究者からも更なる検証が進むことも期待させる書籍ですから、その意味でも功績は大きいと感じます。

戦後半世紀あまり、この時代を生きた方々を偏向の目で見ざる得ない批判的な教育・世論・書籍ばかりを目にしてきた私にとって、当時の方々の心情の一端を読者に伝えるものであり、若い方であれば当時を生きた血縁の方々を新たに考えさせる事のできる良い視点の書籍だと感じました。
女性が調べた特攻隊 ★★★★★
特攻戦記、数多あるなかでうら若き女性が書いたものは珍しいのではないか。
ごくふつうの25歳のお嬢さんが、祖父の死をきっかけに、親戚の「おじいちゃん」が終戦の日、玉音放送の数時間後に飛び立った最後の特攻隊(いわゆる「宇垣特攻」)の一人であったことを知る。インターネットを手がかりに、防衛研究所に通いつめ、80歳を超す生存する「おじいちゃんたち」や遺族にインタビューしながら、最後の特攻の真実に迫るドキュメントである。先の戦争や特攻についてまったく予備知識も先入観もない状態から、しだいに英霊たちへの尊崇の念に目覚めていく過程は感動的である。
一方で、女だてらに帝国海軍への憧れが嵩じて、現役の自衛官を彼氏にしたものの、彼氏に海軍魂ばりの過大な期待を抱いてしまった自分を自嘲気味に反省するところなどは、いかにも現代の女の子らしくて微笑ましい。
特攻やら、戦記などと聞けば毛嫌いする若い女性にこそ読んでいただきたい1冊である。
知的冒険 ★★★★★
著者が「最後の特攻」を追究していく過程がリアルに語られています。祖父の死をきっかけに、前の大戦に関心を持ち、曾祖父の弟が最後の特攻隊員だったことを知るところから、著者の知的冒険が始まります。
最初は「予科練って何?」という段階から、ネット検索、防衛研究での文献調査、そして様々な人と出会い、知識を深めていく努力。最後の特攻の2機が突入したとされる沖縄・伊平島に実際に行って当時の状況を調査するという行動力。米国立公文書館から資料を取り寄せる真摯な態度。
1人の若い女性が青春の一時代をかけて、あまりにも大きな課題に挑戦したドキュメントとして読みました。
徒に美化するわけでもなく、著者の等身大の感想が語られ、読み終えて、とても爽やかな気分になりました。