「もったいない」とか「かたづける」とか、毎日一度は口にしたり読んだりしている日本語を考察した文章が24編収められています。 著者の代表作「ことばへの旅」が古今東西の名言から出発して考えを深めていくのと似たパターンですが、こちらは日常語が対象なので親しみやすく、すらすら読めます。
具体例を次々にあげながら読者を持論にひきずり込む語り口が絶妙で、著者は意見を押し付けているわけではないのに、読み終わったときには「この論が正解にちがいない」と思う読者が多いことでしょう。「ことばへの旅」と同様に、シリーズ化してほしいものです。