タクミくんシリーズ?? 話の筋なし。ゼロ。
★★★☆☆
はっきり言って、貴腐人にはつらかった、この話。
内容がない。
ただの寮生活での話。
「タクミくんシリーズ」を彷彿とさせる。
遠縁にあたる衛守と峰は中学高校と寮生活で一緒になり、お互い好きになる。峰はちょっと家の事情が複雑で(でもすごくつらいわけではない)、衛守は昔峰を助けて大けがを負った無口な男。
峰は生徒会などをして先生の聞こえをよくしながら、衛守と同じ寮の部屋になり、二人はやがて卒業する。
それだけ。
ほんと、それだけ。
エロ一回。二人がどこかで何をしたとか、やきもきしたとかもなし。
むしろ寮生活のイロハの方が詳しくて、なんだか「私立英明大学付属清泉学院」の寮の手引き冊子を読んでプロモビデオを見ている気分だった。
話筋としては駄作ではないので星三つにしたけれど、BLを求めている観点からすると正直星二つをあげたい。
ただ……BLがこういう仄かな可愛らしい学生チュチュチュ!だと思っている読者にはウける内容なのかもしれない。
ジェネギャップを感じた一冊。
一番欲しい言葉をくれる男
★★★★☆
実は『空色スピカ』を読んでいない私。高原の半寮制男子校……って設定に、二の足踏んでました。
昔流行ったなぁ……でも今さら年齢的にもピンと来ないし、と。
小椋ムクさんのカラー表紙があんまりキレイで買っちゃったんですが、前作未読でも十分楽しめたし人間関係も理解できました。
何より、いい子を演じ続ける主人公の内面や、好きな男の側にいたい!ただその一心で巡らすあれこれ、意地らしくて健気で可愛い。この辺の描写が上手いですよね。
そして主人公の幼なじみ。男前で寡黙で包容力あり、BL攻めキャラの王道。傷ついた主人公にいつも欲しい言葉をくれる、普段が無口であるがゆえに、より魅力的でした。
キャラも各エピソードもすごく良かったんですが、ストーリーの構成があと一歩……いや半歩?
出会いから卒業までが割とズラリと並べられただけな感じがして。起承転結メリハリつけた方がいいのでは。
でもイラストのはまり具合といい、素敵な一冊でした。二人のラブエロな続き、読みたいですよねー。
峰の一途な想いと衛守の不器用な優しさ
★★★★★
微笑みを絶やさず、何事もそつなくこなす峰が衛守にだけ見せる弱さ。
そんな峰を愛おしく感じ、守ってやりたいと思う衛守。
笑顔の裏に隠された様々な重圧や複雑な家庭環境に苦しむ峰を支える無骨で不器用な衛守の優しさがじんわりときます。
生徒会長という立場を利用して色々な策略を張り巡らせながらもその想いはただ衛守と一緒にいたい、恥ずかしくないよう強くありたいという峰の一途な想い・・・
「空色スピカ」同様、こちらもかなりきゅんとくる面白さでした。
「完璧な王子様」の正体
★★★★★
誰の目にも「完璧な王子様」とうつる峰。
しかしその内面は繊細で傷つきやすく、さらには上手く立ち回るための処世術を巡らすことに長けています。そんな峰が唯一素の自分を見せ、甘えられるのが衛守。
衛守に可愛いと思われたい、女の子のように愛らしい容姿のままでいたかった、と願う峰。しかし衛守はもちろんそんな風に考えているはずもなく……。そのままの峰が魅力的なのだと、いつか心から信じられる時まで衛守がしっかりと受け止めてやってくれるといいなと思わずにはいられません。
「空色スピカ」でのイメージとは180度異なる、ヤンデレ系でちょっと乙女な峰には驚きましたが、一途でひたむきなところが衛守と読者の胸をくすぐります。
がんばるお姫様☆
★★★★★
前作を読んでいて,峰先輩がこうくるとは思いませんでした!
衛守と共にいる為だけに凛々しくあろうとする王子様,峰。
でも,衛守の前でだけ,可愛いのです,お姫様でいたいのですv
衛守は衛守で,言葉少なに峰を支えて守っていこうとする騎士様ときたら…それだけで,なんだか,もう,ツボなCP。
お話は,小学3年の出逢いから高校卒業までぎゅぎゅっと濃縮されてますので,もう少し2人の甘々なエピソードを読みたかったなぁと思ったり。
なので,あとがきでも書かれていた峰と衛守の可愛くてエロエロ話…卒業してしまった2人には…清泉学園シリーズ番外編(!?),大学編とか社会人編なんかで登場してほしいところ!
今度は,無骨な騎士衛守の騎士っぷりとか器の大っきさを堪能してみたいです。
前作と同じく,お話の雰囲気とイラストがぴったりなトコロも良かったです。
空色スピカ (CROSS NOVELS)