小説であり、ビジネス書
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小説であるが、組織の体質を変えるためにどのような改革を行ったのか詳細に書かれている。
人間の特性を上手に描いたビジネス書。
士農工商の時代の前例を覆す改革を実行した人物
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士農工商の江戸時代に、借金で藩政返上の危機にある米沢藩の再建を目指して改革を行った上杉治憲。その改革は、
・領民を救うための改革であり藩主が豊かになるためのものではない
・身分に関わらず、領民のためになる意見を言い合える職場とする
・改革に必要な情報は上層部だけでなく末端の藩士にも伝える
・藩主である自分が未熟である点を素直に伝え、藩士全員に協力を求める
など、士農工商の時代の前例を全て覆すものだった。
治憲の改革は、領民に対する愛といたわりを持つことを第一に考え、人に物を頼む前に頼む人間が自分でやってみせるという具体的なものであり、現代社会の経営改革にもつながる非常に重要な考えだと思う。
上巻では、改革を行うための火種をつけるところまでだが、古い考え方を改めず改革に反対する藩士たち、単なる倹約の押し付けだと考え改革に協力しない領民たちがどう変わっていくのか、下巻も非常に楽しみである。
現代に何かを訴えかけているようです
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上杉鷹山の目指したものは、清く正しい国政をもって、まずは民が豊かであること。若年でありながら、民の心をまとめ、破綻寸前の財政を立て直した手腕は見事。人の上に立つ者の鏡である。士農工商の身分制度がひかれた江戸時代において、まさに民主主義そのものの政治が行われたことが、まさに驚きであった。上杉鷹山の名だけは、聞き及んでいたものの、具体的な功績については、何ひとつしるところもなかった。あくまでも小説であり、細部は脚色された部分が多いと想われるが、当時の社会に与えた影響は疑う余地もなく絶大で、救われた民は多く、後世の現代に至るまで多くの人々の尊敬を集めている事実がある。久々に尊敬できる人物と出会えた気がする。やわらかめの小説なので、読みやすい。
勧めてくれた職場の上司に感謝しています
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主人公の性格の良いこと、怖いくらいです。でも本当にこんな方の周囲の人たちは幸せだろうなあとつくづく感じます。周囲の嫌がらせに対する主人公たちの懸命な行為がすごく心に残りじーんときます。今の社会を生きる自分にもいろいろと考えさせてくれた貴重な小説です。読んでいて気持ちが熱くなる、「自分も頑張ろう」と思える歴史小説です。人情味あふれる話なのでドラマを見ている感じです。
常日頃厳しい職場の上司が自分を含む部下たちに勧めてくれた小説です。最初気が乗らなかったのですが、読み出したら止まりませんでした。下巻もセットで読みました。
客観的な視点の重要性
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米沢藩主に養子として入った上杉鷹山の藩政改革の理念を記した書。
組織のリーダーや官僚といった、組織の方向性を決める人達に読んで、肝に銘じてもらいたい。
当時の米沢藩は、乱世で名をあげた上杉謙信の時代と違い、
幕府に厳しい財政環境に封じられ、財政破綻。
彼は藩の実態を見て回り、問題は財政だけではなく、藩士の心とし、
人の改革と現場主義を主として改革を実行。
最大の敵は、しきたりを守るだけで惰性で働く重役達。
その強い抵抗に負けず、自らを律し、情を捨て、粘り強く改革を進め、民に希望を与える。
また改革後の維持の重要性にも着目し、再びなれ合いが生じない様、心を配る。
自らを米沢の外部の人間と認識し、客観的に物事を見る事に長けた人だと思う。
現代に十二分に通用する大事な理念の書だと感じた。
とてもよいです。新品と同じくらい綺麗で…
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とてもよいです。新品と同じくらい綺麗でした。梱包も丁寧でした。
20年ぶりに再読
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20年ぶりに再読したくなり購入しました。一気に読める内容ですが今回は味わいながら時間をかけて読みました。