知的財産や経営学の分野の第一人者が、知財とMOTに係るテーマについて１テーマ10〜20ページ程度で紹介した基礎レベルの書。退職者による技術流出、知財報告書について等、旬な話題を取り上げたをケーススタディーが面白いですが、一つに割かれているページが少ないのが難点。
　この本に限らず、この丸善の「MOTシリーズ」はどれも、章ごとに執筆者が変わるオムニバス形式で、一本のテーマについては短くまとめられており、あまり深くつっこんだ議論をしていません。推測するに、あるテーマにしぼってつきつめる、のでなく、知財分野で最近話題のテーマを数多く提示することで読者に広く知財に関心を持ってもらうのが目的なのかな、と思っています。特定のテーマに興味を持っている人には物足りない感がありますが、少し更に学びたい人へのブックガイドが各章に掲載されているので、まあ○。