内容もさることながら、文章がいいのだ。
無作為にページを開いたところでも、「天は暗く、地は白く、風も少し吹き加って、大綿小綿が一面にみだれて渦巻いている」(p74)という文章が目にはいる。
当時としては普通に使われる言葉だったのかもしれないが、「罨法《あんぽう・えんぽう》」(p124)という語は読めなかった。
むやみに表記㡊??改めていないのはよい点だが、「揺いている」(p73)が「揺いでいる」の誤植ではなく「ゆらめいている」と読むべきなのだと理解するまで時間がかかった。また、「曩に」(p340)が「さきに」だとは読めなかった。
本の編集は良心的だが、校正には見落としがある。
「文芸方面の振はないのはむりもなかった。」 (p254)の「振はない」は「振わない」だろう。
「思わず声を立てようとすると、丞相を制した。」(p320)は、前後から考えて「丞相が制した」のはずだが、これは底本のままなのだろうか。
「剛 を以て聞こえた」(p329)で、「剛」のあとに一字分空白がある。
「酉陽雑爼」の作者を「[暇-日]成式」(p330)としているが「段成式」だ。「段」の異体字と思えない字体で、特に造ったようなフォントになっている。
内容もさることながら、文章がいいのだ。
無作為にページを開いたところでも、「天は暗く、地は白く、風も少し吹き加って、大綿小綿が一面にみだれて渦巻いている」(p74)という文章が目にはいる。
当時としては普通に使われる言葉だったのかもしれないが、「罨法《あんぽう・えんぽう》」(p124)という語は読めなかった。
むやみに表記を改めていないのはよい点だが、「揺いている」(p73)が「揺いでいる」の誤植ではなく「ゆらめいている」と読むべきなのだと理解するまで時間がかかった。また、「曩に」(p340)が「さきに」だとは読めなかった。
本の編集は良心的だが、校正には見落としがある。
「文芸方面の振はないのはむりもなかった。」 (p254)の「振はない」は「振わない」だろう。
「思わず声を立てようとすると、丞相を制した。」(p320)は、前後から考えて「丞相が制した」のはずだが、これは底本のままなのだろうか。
「剛 を以て聞こえた」(p329)で、「剛」のあとに一字分空白がある。
「酉陽雑爼」の作者を「[暇-日]成式」(p330)としているが「段成式」だ。「段」の異体字と思えない字体で、特に造ったようなフォントになっている。