むぅ…
★★★☆☆
ルウの突飛な行動には毎回驚かされる。なんと、今回はお嬢様学校への転入。
相変わらずのはちゃめちゃぶりに、興味津々でルウたちの行動を見ていたが、今回は意外なことにシェラが活躍した。暗殺業だった経験を生かした助言は、ルウ達には分からないことが多く、とても役立つものだと思う。それぞれが自分の持ち得ない能力を持っているから、うまい具合に補い合える。
今回はそれがよく表れていたと思う。シェラの女装の完璧度と、そのプロとしての自信が面白かった。シェラが自身のことをちらっとだが細かく喋ったので、シェラのことも前以上に理解できたような気がして楽しめた。
残念だったのは、事件の内容が気持ち悪かったことと、話の筋がしっかり通ってないような気がしたこと。
次はもう少し話の流れが変わってくれたら嬉しいと思う。
普通の話…
★★★★☆
茅田女史の小説は、色々な意味で、はちゃめちゃでパワフルなものが多いですが、この本はもっとベーシックな謎解きもので、試みとしては面白いと思います。どうしたって「普通」のミステリは書けない作者が、ルウとリィをメインにミステリーに挑戦。というところですごくいいな、と思いました。
☆4つの理由は、キャラクターの特製をフルに使い切ってないような気がするところでしょうか。
今後大きな話になるのか、そうでなければこの豪華メンバーの日常を書くのがこのシリーズのテーマなのか、でも私はものすごく楽しんでみています。
このシリーズが始まって思っていたことだが
★★☆☆☆
デルフィニア、スカーレットウィザード、暁の天使たち。
10年以上この作者さんのシリーズを読んできたが、現在のシリーズはどうにもパワーダウンしているように思える。
理由の一つに、主要人物とそれに敵対する陣営の戦力の差があるのではと思う。
なにしろ、創造神の一族たるキャラクタに敵対する相手はただの人(権力があったり、特殊な機械だったりしたが、結局のところただそれだけ)。
今回の話にしても、前回の黒幕との決着はあっさりついてしまった。
正直、小説の半分を読み進めた段階で結末は予想できた。
障害が大きければ大きいほどそれを乗り越えるカタルシスがあるというのに、それがこの作品(というよりこのシリーズ)には存在しない。
次回作は、今回出番が少なかった夫婦(普通の人というと語弊があるが、魔法的な力はないので)が主役らしいので、多少なりとも期待したい。
フクロウが飛び交っていそうな
★★★★★
ハチャメチャさがない、普通の物語だ!第一印象としてそんな感想を抱いてしまうシリーズってどうなんだろう?前回や今回のストーリーは、リィたちが登場する新しい物語なんだ、焼き直しじゃないんだ、という気がして結構好きだ。
今回は黒金銀の三人組が一時転校するというお話。女子校と男子校での彼らのアイドルっぷりは、本筋とは別に楽しめる。また、寄宿舎生活もリアリティ(行ったことはないけどイメージで!)があって、物語に骨格を与えている。
次も、彼らの作る新しい物語を見せてほしいなあ。
面白かった、のですが・・・。
★★★☆☆
前巻の謎が明かされ、決着がつきました。
ルウとシェラが女子校に潜入し、犯罪の謎解きをするのも結構よかったです。
ただ、「スペシャリストの誇り」「パンドラの檻」でも思ったのですが、
確かに悪いのは向こうです。利己的な理由で罪のない人々を大量に殺したのは悪いに決まっています。
でも、それへの復讐が・・・少し過激に思えます。
どうせあれだけの犯罪を犯していれば、死刑になるのはわかっています。
(今の日本と違って、無期懲役→数年で仮出所ということはなさそうですし。)
リィ側の人たちも、理不尽に利用されそうになったり殺されそうになったり、
それに対して報復することは当然の権利と思います。
でも、敵がやったこともリィ側がやったことも、善悪は別にして結局のところ同じ大量殺人であり、
デルフィニアを読んでいた頃のような読了後の爽快感を、得られないのです。
そう感じるのは、私だけかもしれませんが・・・。
茅田さんの本が大好きなので、以前のように読んでいる時わくわくしたり、
本を閉じた時「ああ、面白かった」と思えるような作品を読めると嬉しいです。
敵の犯した犯罪と、それへの報復で気分が悪くなったので、星二つ減らしました。
それにしても共和宇宙の名士・政治家・資産家は、腐りきっていますね・・・。