いま聴くと凄いすんなり聴けるのだが、「マンハッタンでブレックファスト」から大胆で気の強い奔放な女性像が描かれ、プロポーズを待ちわびる「そよ風のフェイント」みたいな例外もあるが、それまでの歌詞とはちょっと違う聖子を示した一枚。この作品の女性像が後年の彼女のセルフ作品の基本になったような気が。さて、今回気付いたのは「ピンクのモーツァルト」のアルバム・ミックスが凄いリマスタでクリアになっていること!もともとシングルと違って弦を前面に出したミックスだったこのアルバム・ヴァージョン。音の拡がりを実感。あまりシングル・ヴァージョンをそのままアルバムに収録していた当時の聖子の珍しいアルバム・ヴァージョン。これは凄く良いのです。あとは「銀色のオートバイ」と「ダンシング・カフェ」の二曲も聴きやすくなったかな?リマスタリングではいちばん変わった一枚かも(あと9波)。

アルバム内容についてのレビューは、すでに私自身も過去に書いてあるので、今回はリマスターについての感想を!

このアルバムは同時に発売された他のアルバムより、リマスターの効果が分かりやすいと私は感じた。
マンハッタンでブレックファースト、薔薇とピストル、Dancing Cafeなどを始め、ほとんどの曲で実感できる。

中でも私が驚いたのが、「ピンクのモーツァルト」。
この曲はこんなに音に拡がりがあったのかと驚き、リマスター版のBibleシリーズを購入を検討したほど。

数々のリマスター版の中の一枚でもいいので、聴いてみてほしい。
他の作品のリマスター版も聴きたくなるはずだから……………。

ライブで歌った回数が少ないせいか、全く関係ない歌の時の映像が適当にカットインしてきて腹立たしくなります。妙な小細工せずに一曲丸々見せてくれた方が嬉しい。しかしこの編集者はどんだけセンスないんだろう。ビックリします。アルバムはアイドルらしくいい感じにまとまっていていいんだけど、ユートピアやパイナップルで感じた音の良さをあまり感じませんでした。

この年聖子ちゃんは6月に一ヶ月アメリカへ留学?!後半、その分レコーディングに大忙しと語っていた!メロディーを覚えるのが大変だと、詞をイメージするのも今大変だと (私の予想)翌年お目見えする楽曲、映画【カリブ愛のシンフォニィ】のテーマ「カリビィアン・ウィンド」も.映画【幸福物語】のテーマ「ミュージカル・ライフ」もこの年にレコーディングを済ませてたのではないでしょうか・・・思い出した’酒井法子が歌った「幸福なんて欲しくない!」という楽曲もこの辺りかな?松本隆さん・・・。

今作の歌詞世界では「アイドル聖子ちゃん」を払拭しています。そのことがある種の潔さ、爽快ささえ感じさせ、ポップでノリがいい曲が多いことも相まって聴いていて何か心地いいです。酔った勢いで知り合ったばかりの男と一夜を共にしたり、「恋なんてeasy game、愛なんて言葉 複雑で嫌い」と、終始大人の女性を唄っています。ボーカルも安定感抜群でまったく隙がありません。Ｍ１、５、８、１０など佳曲揃い。打ち込みが多用され、似たようなテンポの曲が多いためかサウンドが少し単調かなとも思いますが、総合的に見れば、発売から25年経った今聴いても十分魅力的なポップアルバムだと思います。