なんて魅力的な登場人物たち
★★★★★
一度挫折した吉川版三國志を十数年ぶりくらいにチャレンジして読みました。
ストーリーとしては非常に分かりやすく、面白かった。
ただ、登場人物がちょっと大げさな感じがある。
劉備は感動しても哀しくてもすぐ泣くし、周兪は何となく底意地の悪い軍師。
張飛は酒飲みの暴れん坊で粗野な無頼漢。
劉備はとても良い人なんだけど、泣いてばかりで、なんで傑物が集まるの?。
ストーリーは分かりやすいけど、人物描写は演劇や浄瑠璃のようなデフォルメ感がある。
しかし、それでも吉川版は面白い。
一方、北方版では、これらの人物がとても感情豊かで魅力的に描かれている。
特に張飛は暴れるのも粗野なのも擬装であり、少数の劉備軍を精強な軍隊に
するためには、ある意味狂犬のような人物も必要だったためだと感じる。
北方版では、張飛は心細やかで、とても感情豊かな魅力的な男に描かれており、
三国志のゲームのような、知力も政治力も低く、武力だけ秀でているような
男ではない。
吉川版とは真逆な人物像で描かれているけど、ジグゾーパズルのピースが
きちんとハマったような爽快感がある。
本作での張飛やその他の登場人物、吉川版に登場していない人物達も
なんて魅力的なんでしょう。
吉川版をすでに読まれた人も、本作を読めば、それぞれの登場人物が
また違ったのイメージを持つことができ、楽しめると思います。
吉川版、北方版とも両方良い!。
北方版はまだ全巻読み終えていないけど、全部読み終えたらもう一度
読み返してもいいかなと思ってる。
三国志として捉えなければ
★★★★★
吉川英治の三国志を知っている人には違和感が付きまとう作品.このシリーズだけを読んで三国志が分かるのかどうかは疑問が残る.この作品を本当に楽しめるのも吉川栄治の三国志を読んだことのある人ではないだろうか.
吉川版との一番の相違点は多くのオリジナルキャラクターの登場だろう.それが功を奏しているのかの判断は読者によりけりといったところか.
他にはスポットが当たったキャラクター(例えば曹操,呂布,劉備,張飛,周瑜など)は徹底的に魅力的に描くのに対してそうでもないキャラの扱いはぞんざいだ.後は女性の登場人物(張飛の奥さん,周瑜の愛人など)およびその絡みがあまりにも多いのが気になった(よいか悪いかは別として).癖のある熱さを楽しめれば良作,そうでなければ凡作,人によっては下品な駄作となる.個人的には良作だったけど人を選ぶ作品だろう.
北方氏の三国志
★★★★★
北方氏はNHKの某番組で初めて知った三国志に対する熱い語り口調で三国志への思いを感じた。
小説もこれまでの三国志にはない独特な人物の描き方がある。
あまり日の目を見ない人物も細かく描いている。
三国志ファンには是非読んでいただきたい。
胸が熱くなるでしょう。
とにかく面白いのは事実だが、、、。
★★★★☆
他の有名な三国志との違い
<吉川英治・横山光輝版>
(1).三国志演技(小説)をベース
(2).基本原作に忠実に進められる
(3).当時の価値観でストーリが進められる。
(4).吉川版は戦前の書物のため、少し読みづらい箇所がある。(そこまででないけど。)
<北方謙三版>
(1).三国志正史(王朝が許可した正式な歴史書)がベース
(2).後発の小説という事でアレンジが進められる。
(3).現代の価値観のため、感情移入がしやすい。
(4).読みやすい
読みやすくとても面白いのは事実だし、
歴史で価値観を現代にしてしまうのは映画でも良くあることなのだが、
でもそれって本当の歴史を読んだことになるのだろうか?
吉川英治版では、劉備玄徳がもてなしで人肉をだされて感動する行があるのだが、
今の日本の価値観ではひいてしまうと思うのだけど、
そういうものを避けて、
現代人の価値観で綺麗で男らしいだけの歴史本で果たしてよいのだろうか、、、、。
登場人物が魅力的
★★★★★
久しぶりに北方謙三の小説を読んだ。高校、大学時代は彼のハードボイルドものをよく読んだ。
彼が、その後時代物を書くようになったことは知っていたけど、実際に読むのは初めてだ。
三国志、第1巻はすごく面白かった。売れてるらしいけど、それの理由もよく分かるな。とにかく登場人物が魅力的。悪役も含めて。