孔明、登場
★★★★★
いよいよ、諸葛亮孔明が登場。劉備の活躍もこれから。
北方版「三顧の礼」!
★★★★★
ついに孔明登場。このまま土にまみれて一生を終えるのか。劉備の訪問は、孔明の心底に燻っていた火種を煽ります。
この北方三国志では、「超人孔明」ではなく、いい意味で人間臭い孔明が見られます。自ら剣を持ち、頭から血をかぶって、その興奮で酒を三、四杯あおる孔明は他にないのではないでしょうか。しかも、この孔明は結構悩むのです。「この孔明が臣となったからには、劉備様には必ず覇者となって頂きます」と言い切りながら、初めて立つ戦場への怯えがあり、今まで頭の中でしか考えてこなかったことが、本当に現実に当てはまるのかという不安もある。悩める孔明の葛藤と成長も、北方三国志の魅力の一つでしょう。
人間、孔明。
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いよいよ登場の孔明ですが、私が興味を引いたのは孔明のもろさですね。どうしても孔明という大人物を神さまのように書きたくなるんですが、ここでの孔明は人間なんですね。弱い部分もある人間なんです。そんな男の成長もあとの巻で見れます。
孔明登場!
★★★★★
全13巻からなる北方謙三氏による「三国志」シリーズの第6巻です。この類のシリーズ物は、往々にして第1巻が最も面白く、その後、面白さが減じていくことが多いのですが、このシリーズについては、戦国の英雄たちが全国各地に百花繚乱し、時に争い、時に連合し、天下を目指すという駆け引きを読んでいるだけで、サスペンス的面白さも加わり、あきさせません。また、この巻からは有名な諸葛孔明という新たな登場人物も加わり、新たな展開が期待できます(どの陣営に加わるかは、未読の方もおられるでしょうことからあえて触れません)。
三国志の面白さに、北方ハードボイルドの面白さが加わった面白いシリーズです。
やはり孔明でしょう。
★★★☆☆
やはりこの巻の見せ所は、孔明の活躍です。
三国志の影の主役だけあって、満を持しての登場ですが、
そこは北方謙三氏、既存の三国志とは違うところを見せてくれます。
劉備が三顧の礼を尽くすまでに至った心情の動き、
孔明がそれに応えるまでに至った思考の変化。
歴史からここまで創造でき、ここまで心の動きに注目した三国志はないでしょう。