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幕末バトル・ロワイヤル (新潮新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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血沸き肉踊る、幕末の群像劇 ★★★★★
 あまりに密度が濃いので、体系だって論じるのが難しい幕末であるが、独自の史観から大胆にばっさりと斬り込んで、幕末の権力闘争を読みやすくまとめた一冊。
 オーソドックスなポイントはおさえつつも、時々目からウロコの落ちる独自の解釈もちりばめられていて、たちまち読みすすめられる。
箴言の宝庫 ★★★★☆
 私、『週刊新潮』の連載は読んでいませんが、この新書シリーズはヒマなときにポツリポツリ読んでいます。当時の世相、人々のものの考え方までリアルに描き出されていて、ほとんど小説のように楽しめます。
 時々、ドキッとさせる箴言となる句が掲げられていて、「その二十八 山吹は死の香り」の出だし、「金で動かせない人間はいない」という1行なんか、私は考え込んでしまいましたよ、「確かに、額によるよな……」と。
 内容は、他のレビューに書かれている通りです。水野忠邦については、「そういう野心家だったのか〜」と勉強になりました。
 阿部正弘については、かつては幕末の激動に適切に対応できず、なまじ外様や天皇の意見に耳を傾けようとしたために幕政の混迷を招く人物と考えていました。しかしみなもと太郎『風雲児たち(幕末編)』は阿部に同情的と言うか、好意的で、私は認識を改めたのでした。
 ところが……この本ではやっぱり阿部はあんまり褒められた人物には描かれていませんね。ま、徳川斉昭については、野口の評価もみなもと太郎の描き方も、あんまり差がない印象ですけど。でも、江川太郎左衛門はどちらでもクール!
 NHK大河ドラマが『幕末バトル・ロワイヤル』とか『風雲児たち』とかやってくれたら、絶対欠かさず観るんだけど……
歴史は人によって作られることを実感させられる本 ★★★★★
 ペリー来航当時の老中・阿部正弘。
 オランダからペリー来航の情報を得るや,不安になり,島津斉彬(薩摩藩)・黒田長専(「専」はさんずい。福岡藩)・鍋島直正(佐賀藩)に情報を漏らしてしまう。阿部は不安に思うが,海防掛役人は容易に撃退できると強気だし,といって軍艦を建造しようと思っても,勘定奉行には予算がないと反対される。水戸斉昭(水戸藩)は,攘夷の強硬派を気取ってはいるが,いざペリーが来航してみると,「今と相成り候ては打ち払いをよきとばかりは申しかね候」と頼りにならない。そんな中,阿部は,朝廷にも,ご意見がありましたらお申し付けくださいと低姿勢に対応し,朝廷による国政への干渉を自ら招いてしまった。
 阿部の対応は見ていて歯がゆいほどだが,1843年に25歳という最年少記録で老中になった阿部は,1853年には未だ35歳。将軍も水戸斉昭も頼りにならないという状況の中で幕府の方針を決めなければならないという重責は相当なものだっただろう。その年齢を見ると,阿部の腰の座らなさも何となく納得できるような気がする。

 本書は,水野忠邦(天保の改革)が老中の地位をいかに手に入れたかという辺りから,ペリー来航までの時代を,どういう人がどういう動きをしたのかという風な視点から描写した本。最初のところは似たような人名が次々と出てくるので頭に入りにくかったが,そこを我慢してクリアすれば,グイグイと一日で読まされてしまう,いい本だった。
いいっすね〜 ★★★★★
水野忠邦の天保の改革からペリー来航までの顛末を描いています。
裏金、スキャンダルてんこもりで、筆者もご指摘の通り、
どっかの国の政治屋と同じじゃんと思わせます。
少なくとも、この頃から、日本にはきちんとした政治家は育っていないようです。
阿部内閣の方にはしっかり読んで頂きたい。もちろん反面教師として使うことが前提ですが。
(今の状態じゃあ俺は票入れないよ。)

政治の流れに、忠邦が株仲間解散したことがどう影響したのかなど、
一見関係なさそうなことがつながっていくとかなりのカタルシスが得られます。
「おーーー、ここでそうつながるんだ!!」と読んでて面白いです。

ただし、裏話がふんだんに使われ、人間の負の部分もかなり見せ付けられるので、
読む方によっては江戸時代の政治家たちに失望するかもしれません。

個人的には許容範囲、人間なんてこんなものだろうと
いいのか悪いのかあきらめていますのでショックはありませんでした。
当時の江戸の風俗も知ることもでき、かなりおもしろかったです。
幕末前の物語。 ★★★★☆
天保の改革で知られる水野忠邦の老中成り上がりから黒船来航・日米和親条約締結までのお話です。

途中、当時のゴシップなどを織り交ぜながら、「ほんとのところどうなんでしょうね?」的な流れで話が進んでいきます。

後半、黒船来航前あたり当時の政府中枢の苦悩(知っていたにもかかわらず手が打てない様)や、黒船来航時の現場の話など、通常の維新物語ではあっさりすまされるところが丁寧に描かれているところが面白く感じられました。

庶民の視点や、人間的な視点から見た為政者の心情のあぶり出しなど、見ていて大変興味深いものがありました。

問題点を挙げるなら、下記の二点。

1.途中途中でゴシップ的な話題を混ぜたせいか、前半時系列が交差して少し読みにくい気がしました。

2.最後があっけなく、というか突然の連載中止のような終わり方をしているのが残念。只今連載中ということをあとがきに書いていましたが、最後のしまりは大切だとおもうので、2・3ページくらい書き下ろせなかったのか?と感じました。

良書だとは思いますが、その点で残念だったのでマイナス1評価です。