現代に甦る「日本人の失われた身体」
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確かに、メソッドの本だけではわかりにくさがあるのかもしれません。私は感染症の教科書を編集しているもののはしくれなので、別のレビューをかかれた方が口呼吸に危惧を抱かれる理由もよくわかりますが、宇城師の指示は西原克成氏らが危険を指摘するいわゆる「口呼吸」ではありません。ぱっと口を開け(吐くでもなく吸うでもなく)呼吸を通してから、鼻でゆっくりと吸って口から(歯の間から漏れるように)吐く、というものでその通りやれば何の問題もありません。また、口を開けておくことの意味は能の身体技法の研究者である安田登氏が「そのことで横隔膜の緊張が抜け、横隔膜を通り抜けて働いている脊柱起立筋の腸腰筋が活性化するのではないか」と仮説を述べています。宮本武蔵は五輪書のなかで「おとがいをだすべし」と述べていますが、宇城師の「ぱっ」はまさにこの下あごをゆるめるという武蔵の身体操法を現代によみがえらせたものだと思われます。
書かれているとおりに、丁寧にやってみれば、誰でもどこでも何度でも「気」というものの威力が実感できるという意味で、まさに一般性・再現性・普遍性を持った科学的なアプローチであり、現代の日本人に勇気を与えてくれる一冊だと思います。
タイトルを変えたほうが良い
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日本人古来の姿勢や作法や体験談が主で気の開発に関わる呼吸法や統一体体操のやり方がイマイチ分かりずらい!著者のパッとする口呼吸に関しても従来呼吸は鼻で行うものでこの口呼吸で統一体体操をしたが喉を痛めた!また口呼吸は肺を 痛める恐れがあるのでかえって口を開けておくのも危険だ!内容は気というより姿勢を正せば気が通り空手の三戦立ちや気の体験談で気の開発メゾットっと言うタイトルとはかけ離れている。しかしこの評価は本の評価であって宇城憲治師範の琉球唐手や気は素晴らしいものがある。気の開発と言う面ではもう少し改良して呼吸や体操の呼吸等を分かり易くしてもらいたい!
人体の不思議
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10年以上前、東京国立博物館へ「人体の不思議」展を見に行った。人体の標本を多く見たが、当然「気」などという器官を見るわけがない。
しかし、見えないということと存在しないということには千里の径庭がある。気も躾も不可視であるが、現在する。その証明がまさに本書である。「やれば違う」この事実は厳然と存在する。贅言は要すまい。是非試してもらいたい。
待望の新刊
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現在精力的に活動している宇城先生の最新刊が届いた。
今回の本は、武術・空手に限定されたものではなく、その一歩手前といか、より基本に近いレベルの内容と言える。
気というとなんとなく胡散くらいものというイメージがあるが、本書では、それが実際に存在することを確認する方法をふんだんに示している。
それも日常生活と密着した例で、、、
例としてほんの一部をあげるなら、、、
・古来の礼法にのっとって身体を動かした場合
・正しい作法で身体を動かした場合
・ものの扱い方を丁寧にして身体を動かした場合
を示し、それを自由気ままにやった場合でどのように身体の働きに違いが出るか?
と言うことを対比している。
昔、父母に言われてきたことが「なるほど、そういうわけがあったのか。」と納得とともに心によみがえってくる。
そんな一冊である。お子様がいる方、必見です。
人生の教科書です。
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この本に書いてある事は、人間としての躾の部分が
大切だと言う事が書いてあります。
そして、躾と言う物が、いかに心と繋がっているか
その事を、日常に生かすかが、これからの世の中に大切なのではと
考えさせられ、学ぶ事が出来る一冊の本と出会えた事に感謝します。