アナログ盤にあった日本語バージョンが復活
★★★★☆
最初にCD化された物で英語バージョンに差し替えられていたBody Snatcherが日本語で復活していたのでソッコーで買いました。音もだいぶ良くなっています。残念なのは追加されていたNon-Standard Musicが別になってしまったことです。あと紙ジャケは保管に困る。
リマスター/リマスタリング→購入すべき, 2008/12/17盤
★★★★★
音質を聞き比べてみました。比較はTECN-18036です。
書きたいことは他の方のレビューにすでに全て書かれているので、簡単に。
音質については、明らかに変わっています。
全体的にクリアでアタックが効いており、低音が豊かになっています。
YMOもそうですが、細野さん監修のリマスター盤は音がかなり変わっています。
傾向としては、音質が良くなるだけでなく、細野さん好みの音がはっきりわかるようになっている、といったところでしょうか。
音質が変わっている、というより変貌しているとさえ言えそうです。
音圧が変わっているだけのもの(子供だまし)や、どこが変わったのかわからない(エンジニアの自己満足?)盤が多い中、細野さんはいい仕事してくれますね...
なお、TECN-18036に追加されていた曲が4曲無くなっています。
また、BODY SNATCHERSも日本語詩メインの原曲になっています。
初めて聴きましたが、なかなか面白いです。
それから、DARK SIDE OF THE STARはいつ聴いても名曲ですね。
過渡期の細野
★★★★★
S・F・Xは細野晴臣がYMO散開後に発表したソロアルバムです。細野にとってYMOがなんであったのかがよくわかる内容になっているように思います。
タイトルからも伺えますが、ここにはYMO以前の『泰安洋行』の頃のゆるさはなく、デジタルビートが激しく打ち鳴らされる、SF的で攻撃的な楽曲が並んでいます。文句なく「カッコイイ!」と言いたくなるサウンドです。それは細野のパブリックイメージとはかなり違い、この後のディスコグラフィを含めてもかなり尖った、特殊なアルバムと言えるでしょう。
この大きな変貌にYMOでの活動が無関係であるはずがありません。とくにハードコア・テクノに大きな影響を与えたと言われる『BGM』とはかなりテイストが似ており、中でも高橋幸宏と作った”Cue”などがなかったら、本作は存在していなかったのではないかと思ってしまいます。
YMOを経験する中で広がった新しい世界がここに花開いた、といったところですが、ここでYMO時代のやり残しを一気に吐き出したためか、この後しばらくして細野は再びゆったりとしたワールドミュージックなどへ再接近していくようになります。
名作(だけどボートラは欲しかった)
★★★★★
1984年作、2008年再発(01年リマスター?)。YMO散開後、最初のソロアルバム。
YMOやソロの前作でもエレクトロ/ヒップホップからの影響がみられましたが、本作では、その影響がよりはっきりとあらわれており、Tr.1〜5まで、スクラッチ/サンプリング/32ビート等、リズムの実験が執拗に繰り返されています。Tr.6は前曲までの狂騒を静めるかのようなアンビエント。1984年当時の欧米の先鋭的な作品と比べても遜色なく、80年代リバイバルとともに、近年、再評価が著しい作品です。
1990年盤(←これしか持っていません。すいません)と比較して、リマスター後の特徴は、リズムを中心にかなり迫力が増しておりますが、その一方でTr.4やTr.5のシンセの細かいシーケンス音も隠れることなくはっきり聴こえます。(細野さん監修ではないようですが)丁寧にリマスタリングされているように思います。
惜しむらくは、ボーナストラックがない点。90年盤のように本来のコンセプト無視で「Non Standard Mixture」を入れる必要はないと思いますが、"BODY SNATCHERS−Special Mix"(英語詞)はシークレットトラックとしてでもいいので収録してほしかったです。その点が心に引っかかって星4つにしようか迷いましたが、曲自体は文句なしにかっこいいので星5つ! おすすめです。
今リリースしても衝撃的(でしょう)。
★★★★★
もう細野さんの頭のぐちゃぐちゃな感じを全部詰め込んじゃってる感じです。
32ビートの後に突然幻想的な音世界に行ったり、スクラッチや、奇妙奇天烈なサンプリング、
展開もすったくれもなく(あるんですが全く読めなく)、
面白い音や、アイデアを次から次へとどんどんやっちゃおうっていう
遊び心が前面に聞こえてきて、
とにかく聴いているこっちが楽しくなってきます。
YMO散開後にやりたいことを好き放題やったという感じで、
こんな(当時からの)大御所(プロデューサーとしても)がこんなアヴァンギャルドで先進的なアルバムを出せること自体、
いったいどんだけ冒険心を忘れていないのかと感心します。
実験心とセールスを度外視した音楽への愛情を感じます。
アフリカバンバータがこのアルバム大好きだそうで、
これまた遊び心にあふれたMouce on marsがelekingでトップ10に挙げていましたが、
非常にうなずける、古びれないというか、今リリースしてもセンセーショナルで新しいんじゃねぇかって言うサウンドです。
cybatron、プラネットロック、いろんなエレクトロ作品聴きましたが、
その後の影響を考えなければ、ぶっとてんでいてやばいのは間違いなくこのアルバムです。
日本にこんなアーティストがおられることをほんとうに誇りに思います。