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司馬遼太郎が考えたこと〈10〉エッセイ 1979.4~1981.6 (新潮文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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司馬曼荼羅を綴ったエッセイ集。 ★★★★★
 これは、1979年から2年半の司馬さんの思い出を綴った書です。この頃は、「菜の花の沖」や「ひとびとの跫音」を執筆、単行本としては「胡蝶の夢」「項羽と劉邦」を出版された時期でした。
 中国残留孤児団が初来日した時期ですから、司馬さんにとってはシルクロードなどの中国の旅を通して、日本と中国の関係に深く憧憬を持たれていたのかもしれません。
 「天山の麓の緑のなかで」「イリ十日記―天山北路の諸民族たち」「複合された古代世界の舞台(「長城とシルクロードと」)」では、西域への紀行から歴史と民族の特徴などを克明に記されています。小説家として歴史を創造される絵巻物は、そこに史実があったような感じを受けます。 とりわけ、殷・周時代から、劉邦に始まる漢帝国と隆盛時代の武帝時代の匈奴に対する殺戮の時代。その後、王朝の衰退に至る遊牧民族の歴史は、たいへんおもしろいものです。
 「高野山管見」では、最澄と空海を対象に、顕密一如と密教の真髄を語っておられます。
 「司馬曼荼羅」と題する陳舜臣氏のあとがき的な記事が、この書を書いた頃の司馬さんの活動と心情を語っているような気がします。
エッセイ集 ★★★★★
司馬遼太郎氏のエッセイ集。

個人的に「井上ひさし氏のユーモアについての管見」「遠藤周作氏『鉄の首枷』について」を面白く読みました。二人の作家さんの話もすくなので、作家からみた作家というエッセイは好きなんです。

ほか、講演について、ニコライがみた幕末日本についてなど、興味深く読ませていただきました。