小さい頃からの夢、そして現在の自分を書いた「ステージ」、寝不足でゲッソリした顔でお茶をヤケ飲みする姿が目に浮かぶ「なぜだろう」、とても仲のいい親友との関係を書いたであろう「くされ縁」、”恋は気づけば始まる簡単なもの””だけど愛は努力して育てていかなきゃいけない”などと、思わず頷く「泣いて笑って」、先のことはわからないけど、ずっと一緒にいたいという願いに何故か涙が出る「ゆびきり」、彼の家族はあたたかいのだろうなと思わせる「キャッチボール」・・・。
ほぼ全て自ら作曲(提供1曲、共作1曲)の楽曲も、アップテンポなポップスからしっとりした切ないバラードまで、良質なものが揃っている。
各曲のどれもが1枚のアルバムとして順に聴いて違和感がないので、飛ばしたり順を変えたりしたくなることはない。
もし、「今の平井堅は好きだけど、そんな前のアルバムなど今聴いたら古く感じそうだ」と思っている人がいたら、是非聴いてみてほしい。
平井堅自作の詞が好きならなおさらだ。
8年経った今はもちろん、おそらく何年経っても色あせることのない、24歳のシンガー・ソングライターのスナップを集めたアルバムである。