2の「アルデバラン」はまるでたくさんの星が輝く夜空のような情景が浮かぶ。6の「ザ・サン・イン・ザ・ストリーム」は柔らかなピアノと素朴なバグパイプの音色が心を和ませてくれる。7の「トゥ・ゴー・ビヨンド」はエンヤの暖かな歌声が印象的。「トゥ・ゴー・ビヨンドⅡ」はそれに美しいバイオリンのメロディーをプラス。8の「フェアリーテイル」は懐かしくかわいらしいオルゴールのような曲調。11の「ポートレイト」はピアノの瑞々しい音色がアイルランドの自然風景を醸し出すよう。13の「バード・ダンス」は中世の雰囲気。ケルト人が楽しく踊っている(?)感じの曲。
いうまでもなく他の曲もおすすめなので、ぜひ。
「ウォーターマーク」以後の一連のオリジナル・アルバムに比べると、アンビエントな雰囲気の小品が多く、最近になって彼女のファンになった方にとっては、多少物足りなさもあるかもしれません。けれども、逆に全編に漂う清涼感は、非常に新鮮で、以後のアルバムとは異なる楽しみ方ができると思います。ティン・ホイッスルのようなケルトの伝統楽器のほか、ピアノやキーボードをメインにおいたインストゥルメンタルも多く、心を静かに落ち着かせてくれるでしょう。
ヴォーカル曲も、豊かで包容力のあるその後の彼女の歌声に比べると、透明感のあるものが多く、特に「I Want Tomorrow」では、(使い古された表現で申し訳ありませんが)天使のような声に聞き惚れてしまいます。もちろん、「ウォーターマーク」以後の伏線とも云える、美しい重唱も聞くことができます。
タイトル曲でもあり、まずいちばんはじめに耳にはいる「The Celts」のようなベスト・アルバムに収録されている曲もありますので、はじめてこのアルバムを手に取った方でも、安心して聞くことができると思います。セカンド・アルバム以降とはまた異なったコンセプトのこの作品、ぜひ味わってください。