他の皆さんのレビュー通りなので粗筋は省略ですが、１巻から最新の６巻まで
一気に読みました。
化学工業メーカーの中にいないと分からないようなお話を
素人が読んでも全然OKな噛み砕いた書きぶりなので、そこがまずすごい！
化学プラントがどんなものかも興味が持てて、
中小企業の苦楽がとってもリアルに伝わって、
そこで汗水流して働く男たちもサイコー！

中小メーカー特有の大小のアクシデントが次々発生し、
弘や前原たちが地道にいろんな解決方法を探ってはクリアしていきます。
弘の工夫や先見性、前原の機動力がかみ合っていくところが
なんとも言えずカッコイイ！
段々ハードル高くなるのを、
弘＆前原の知的で精力的なチームプレーで対応しながら、
その一方で双方とも雄っぽいので仕事場でもうっかり発情、と
イロイロ大変ですが、二人の真摯さが気持ちいいです。

1巻ですごくすきなのは弘と前原が接点を持つ前から、
製造現場備え付けの日誌にお互いが書き込んでいる業務記録を
意識していたってところでした。
なにげに交換日記みたいではないですか。
前原がジワジワジワッと他部署の弘に惹かれていったのが
分かって、やたら性欲旺盛で即物的に見えた前原の
長〜い長〜いプラトニックな時期がうかがい知れて、よかったです。

レビューで高い評価を得ていたことは知っていましたが、ガテン系に萌えはないだろう…と思って、実はずっと敬遠していたんです。でもある日家族の１人がものすごい勢いで薦めてきたんです。「本当にいい！すごくいいから、だまされたと思って読んでみて！」って。数多くのBLを読んできた彼女がそこまで言うのなら…と、読んでみたら、ガツン！と来ました！久しぶりにハンマーで頭を殴られたような衝撃でした。骨太なBLを読みたいと思っているそこのあなた！絶対に損はさせません！綿密に取材され、丁寧に構成されたすばらしい作品です。BLとして以前に質の高い小説として完成していますし、勿論萌えるところもきっちりあります。是非ご一読を！

正直、あまり期待せずに買ったんですね、高評価はわかってても好みは人それぞれだし・・・なんて思ってた私の馬鹿、バカ、ばか！！こんなに素晴らしい作品を読んでなかったなんて！

まず、内容の濃さに驚かされます。科学薬品を製造する工場が舞台の話なのですが、これがまた工場での仕事が細かく濃密に描かれているのに、まったくダラダラせずに読めます。
お仕事物のＢＬって仕事の部分が多すぎると面白くないのですが、要所、要所で押さえてくるんですよね、これが。しかも恋愛部分とのからめ方が絶妙！
ＢＬ的要素もきっちりグイグイきます、ソッチ方面もバランスよく入り、不自然なセリフも無く、ストレート同士が惹かれあう理由も話が進むにつれ納得していく作りになってます。
受けの阿久津、攻めの前原、この二人が仕事やプライベートで色々な局面に向かう度、「そうくるか、お、そうくるか、おお、そうくるか！！！」と、唸ってしまうほど計算されつくした完璧さです。
星、５つじゃたりねぇ・・・って思うくらい良い作品です。
５巻の続き、私も是非出してほしいと思います、需要が多ければもしかして・・・って。
本当に良い作品なので、皆様読んで欲しいと思ってます。

これほど面白い本を今まで知らなかったなんて！と思いました。
ぐいぐい読ませるお話とBLのバランスが凄くいいのです。
仕事の難局を乗り越える小規模化学工場の面々を応援したくなる…というか
一緒に働きたくなる！
前原(攻)の実行力と弘(受)の外見に似合わぬ負けん気と勤勉さ、どちらの下でも良い社会人になれそうです。
またBL描写も読み応えがあるのはちょっと驚きでした。
お話とｴﾛ。どちらかがあっさりという物が多いように思うのですが、本作はそのどちらも濃いのです。

現在5巻まで刊行されていますが、1巻のじれじれした感じが1番好きかもしれません。
恋愛が進むにつれて男同士の問題も浮上していますが、浅はかな決着ではなく、
また小難しく観念的でも無く、なるほどなあと思わせる後味の良さ。
この作家さんは本当に大人だなと実感。どこをとっても文句無く面白いです。
続きが楽しみでなりませんが、連載誌が休刊になったそうで、6巻がいまだ発行されていない事、作家さんがBLを撤退するという噂にお腹が痛くなるほど心配しています。
とにかく、もっとこのｼﾘｰｽﾞを広めねばとﾚｳﾞｭｰしにきました。本気でお勧めですよ！

工場を舞台に、というあまり見ない設定です。
外見おとなしめの、「品証の美人」とか言われてる弘が、いざ仕事となると熱くなり、居並ぶガテン猛者たちには一歩も引きません。オトコマエな受が大好きな人にはたまらない主人公。その一生懸命さには見てるこちらも入れ込んでしまってはらはらするのですが、そのせいか、それをフォローする前原にも一緒にきゅんとしてしまいます。
仕事描写が丁寧で、自分が全く知らない業種なので面白く読めました。対等でいたいと頑張るその心意気が、まさにガテン系LOVEだと思いました。前原がこれまた普段男前なくせに、妙なところで駄目だったりして、かわいいのです。乱暴な俺様のようでいて、実は弘にメロメロです、この人（笑）
この作者の他の作品も結構好きなんですが、これは特に気に入ってます。