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邪魔(下) (講談社文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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奥田さんらしい登場人物不在 ★★★☆☆
・文章自体の流れの良さや、表現力からくる読みやすさというのは、
 他の奥田さんの作品と同じレベルに仕上がっていると思います。

・そこからそれ以上に、どれだけ作品を好きになるかは、登場人物がどれだけ
 好きになれるかということが重要だと思うのですが、本作の場合、いくつかの登場人物の
 視点から描かれていながら、それぞれの登場人物にあまり好感を持てず、気持ちを
 同化させにくいように思いました。
・下巻に入り、そろそろ登場人物に愛着がわいてきた頃、やっぱり離れていくような展開になり、
 真夜中のマーチのように読んだあとで、すっきりするということはない作品だと思います。

・表現としては、女性を描く表現がとても上手いなと本作でも思いました。
・作品としては、二冊に大容量で続けることを担う登場人物たちではないのが、残念でした。
・警察官僚機構の描き方は、大沢在昌さんの新宿鮫のように暗い描き方ではないにしても、よく描けていると感じました。
不可避なもの ★★☆☆☆
それぞれの人物が交錯し、物語は結末を迎えます。自らが意識的あるいは無意識的に避けていた出来事に対峙する時、人は何を思うのでしょうか…。

「そんなのは小さな問題だ。人間、将来があるうちは無条件にしあわせなんだよ。それから先は全部条件付きだ。家族があるとか、住む家があるとか、仕事があるとか、金があるとか、そういうものを土台にして乗っかってるだけのことだ」
疑惑、確信、絶望・・・奈落に落ちてゆく主婦のリアリティー ★★★★★
奥田英朗=伊良部先生のイメージが強烈なのだが、
「最悪」「邪魔」のミステリー2作も実はとても面白い。

平凡な主婦が第三者に人生を狂わされる話なのだが、
読みながら桐野夏生さんの「OUT」(文庫上下巻)を思い出した。
ただ、あれほどまでに底辺の底辺まで落ちてしまった女性達の話ではなく、
この作品はあくまで「夫の犯罪によって苦しむ主婦の話」。
彼女の気持ちが疑惑から確信へ、そして絶望、開き直り、と変化してゆく様が
ものすごくリアリティーがあってぐいぐい引き込まれた。

「ガール」や「マドンナ」でも実感したが、
奥田さんは生身の人間の感情を描くのが本当に上手い。
小説の中の出来事がなんだか他人事ではないような気持ちになる。
この主婦はもしかしたら隣人や友人の姿かもしれないし、または自分の姿かもしれない。
身内が犯罪を犯すことは容易には想像はつかないが、
家族という”運命共同体”の中でたった一人の過ちがその全員の人生を狂わせることの恐怖、
そして自分達に降りかかる災難、転落の様を考えると心からゾっとする。

ただ、堪忍袋の緒が切れてしまった人間が突然プツっと自棄を起こす姿が、
ちょっとパターン化してるかな・・・という感じもした。
まぁ、殆どの奥田作品を読んでいるからこその感想なのだが、正直「ああ、またそれか」と思わないでもない。
しかし、最後まで飽きずに一気に読まされた筆力には感服。
個人的には「最悪」よりも好きな作品で、自身を持ってお勧め出来る。

最高傑作!! ★★★★★
奥田作品の中でもベストの一つだと思います。偶然手にとって読んでみたら
止まらない!エンディングも良い意味の意外性があり、読み終わったらまた
すぐ読み直したくなる本。長編を感じさせない、スリリング+複線の重厚さには
あっぱれ!の一言。楽しみました!
絡み合う人間模様とミステリー ★★★★☆
「サウスバウンド」読んで奥田作品好きになり読みました。
前半はやや単調、下巻に入って、いろいろと物語が展開してくる感じで、
後半部分は一挙に読めました。
ミステリーと人間ドラマを織り交ぜた、
そつないおもしろ作品に仕上がっています。

ただややインパクトに欠けるかなと思い、
星4つにしました。