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空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫)

価格: ¥600
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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今後のために語られるお話 ★★★☆☆
「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」と
言って、20年前に消えた兄。
その時は意味が判らない予言のようなことばだったけど、ある日突然、凌一はその意味を思い
知ることとなる。
自分の息子彰が、兄の言っていたようになってしまうのだ。
 
突然人の顔が認識できなくなる、しかもそれがのっぺらぼうだと思うとかなり怖い。
なので、読み進めながらホラーかと思ったけれども、「何故、人の顔がのっぺらぼうに見える
のか?」ということを、兄が自らの過去を語りながら淡々と説明する様子は、そうではなく、
どちらかというとミステリィの謎解きを読んでいるように感じられた。
実際に、兄が20年前に消えた理由は、「のっぺらぼうを見るようになった」ことが発端で、
その時に色々な事件が連続して起こっている。 
だけど、淡々と語られる兄の昔話は、その事件が解決したことを教えてくれるけれど、それで
終わりではなく、兄にとって皆とは違う人生を歩む始まりであったことを語っている。
 
なので、これは、途切れることなく脈々と続いている普通には知りえない戦いのお話であり、
凌一の息子・彰がこれからそこに加わることになるかもしれない、はじまりの話です。
 
味のある作品。 ★★★☆☆
我が子から「人の顔がのっぺらぼうに見える」と言われた父は、兄を探して連絡を取る・・・
そこからして、なんだか変な話だという印象を持ちながら読み進めた。
物語は、その兄が幼少の頃起こった出来事を甥に話す、という形で進行する。
回想シーンでは主人公はまだまだ少年であり、ショッキングな事件も起こっていく。
でも、それを「回想」という形ですすめることで物語は淡々と進み、また昭和の時代の独特な雰囲気も手伝って、ほのぼのとした印象さえ受ける。
ミステリーなのかファンタジーなのか、と他のレビュアーさんも書いているけど、両者を足して2で割る感じなんだと思う。
強烈な印象をもつ作品ではないけれど、味のある作品だと思う。
「あの頃はよかった」かなぁ ★★★☆☆
タイトルとか、みんなが「のっぺらぼう」に見えるっつー設定とか、グッとくる要素満載なので期待したんだけど。
流行の三丁目の夕日っつか二十世紀少年風な「あの頃」話が延々続いて。
面白くない訳じゃないけど、いくらなんでも長いな〜いつこれ現在に効いてくるのかな〜と思って一生懸命読んでたら(以下一応自主規制)

…イメージ先行の設定倒れで構成ミスって感じです。

設定は、誰かキャラ作りの上手い人に渡せば、ライト伝奇シリーズとかにして再利用できそうだけど……この人はキャラの造詣が薄っぺらくて、
次から次へと出てくるキャラがそれこそのっぺら坊(顔のところに写真じゃなくて設定の箇条書きが貼りついてたりして)状態だったし。

ノスタルジックな雰囲気に浸れる人にはけっこう面白いかもしれないんですが、
自分的には、なんかフルスイング空振り…みたいな一冊でした…。
恩田陸に似てる ★★★★☆
「のっぺらぼう」というオビ文にひかれて
中身も見ずに購入。

ノスタルジックな感動作的な
雰囲気で売ってたけど、

誰が犯人なんだろう・・・と
考えながらよみ進めるミステリーだった。

で、最後の最後で、
まるで恩田陸のSFミステリーのようなオチ。


これはこれで、楽しかったけど。


ノスタルジーいっぱいのファンタジー ★★★☆☆
みんなが「のっぺらぼう」に見える。そんな子供の訴えから始まるファンタジー。
この子供に、伯父が語り始める。自分もそうなんだ、と。
そして、伯父が小学生五年生の頃の話を語る。

この伯父は1963年生まれという設定なので、時は、1974年頃。場所は、パルプ町という町名があるほど製紙工場が圧倒的な存在感を示す町。

1974年といえば、オイルショックの真っ只中。トイレットペーパーが売り切れ、製紙工場もパニックだったろう。そんな時代を背景に、子供達の放課後が活き活きと描き出される。自分も同じ時代を生きた者としてとても懐かしい気分に浸りました。

ファンタジーは「違い者」との壮絶な戦いなのだが、なぜか陰惨さを感じない。

死体探しというグロい探検に出かける『スンタンド・バイ・ミー』という映画が珠玉の青春映画であったように、この作品も優れた青春小説であるに違いない。