きらきらした宝石
★★★★★
最大の印象はきらきらした宝石だ。
キースの音のタッチは、立っており、よりクリアーだ。
構成はシンプルであり、曲のなかでの混沌や停滞がなく、すっきりした仕上がりだ。
ラグタイム風の曲もあり、バラエティにとんだ選曲だ。
いくつかのテーマのミスタッチすら気にならない。
何年も熟成しただけのことはある。
疾走、朗朗、落涙
★★★★★
キースの全てを聞き直したわけでもなく全てを持っているわけではないが、今回のCDほど各自のソロが長いCDはないのでは?1−2のキース、1−3のドラム、1−4のベース。ソロとトリオが自然に混在している。それぞれがキースの言うマイスターに近くなったからこそ、若さが分かるというCDとも言うのだろうか?僕がキースを好きになったのは、35年ぐらい前に京都のシアンクレールでマイバックぺージを聞いて以来だが、その頃はラグタイムを弾きながら、ニュージャズ的なアプローチもしていた。古きを学びながら、新しきを学び、クラッシクに興味を示しながらポップスも取り入れてしまうキースその人のトリオでのベストアルバムだと思う。その証明がポップスを演奏した2−7だと思う。トリオを聞いて楽しくなり、気持ちが高揚することはあるが、トリオで泣きたくなるのはビルエバンスのワルツフォーデビィー以来だ。
ホンキィトンクなキースも良いではないか
★★★★★
昨年スタンダーズ25周年記念いうて
満を持してだしまっせ、のこの盤が出たとき、
演奏が2001年と聞いてたいそう落胆したものだ。
それじゃ20年にもならないじゃん!
どうしてこんな古いのを(涙)
といいつつ、聴いてみると、良いのである。
これが。
いまとなっては古い録音だが、それなりにサプライズがある。
あるからゆるしちゃお、ってことで、1年後愛聴盤になったのだから
人間わからないものだ。
では、この盤でのサプライズとは何か
キースがいつになく荒っぽい。テキトーで軽い。そして激しい
それが実にジャズしているのである。
特に
Ain't Misbehavin'
Honeysuckle Rose
You Took Advantage Of Me
の3曲はえ!キースがこんな事しちゃっていいの?
ってくらいジャズくさく、楽しい。思わずニヤニヤしてしまう
うきうきスタンダーズなのである。
へ〜、こういうのもあるんだ、こりゃ確かにオクラ出しダネ
といまでは思っております。ハイ
またまたECMらしい戦略
★★★★☆
冒頭で一音だけ抜けてしまっている以外は演奏は素晴らしい。ジャケットも完璧だ。キースの体調の改善も見受けられる。ただ、いつものECMによる戦略になんだか釈然としないのである。いまさらキースに70年代の妖艶な世界観を期待するほうがお門違いというものかもしれないのだが、それでもわれわれがキースに求めるものは本作におけるような完璧なスタンダードだけではない。ハンコックのように無理な解釈でポップスやロックをジャズに塗り替えてみたりするほうがよっぽど寒気がするのだが、どうせならもっと冒険してみてほしい、とキースにも伝えたい。近日発売予定の3枚組み『セッティング・スタンダーズ』ももちろん買うし聴けば感動するのだろうが、その感動もいまから想像のつくものであるところが出来レースのようでわくわくしないのである。
暴れ太鼓、炸裂!
★★★★☆
とにかく、ドラムのジャックは、このアルバムでは、絶好調です。で、肝心のキースはというと……いつもより、創造力がないというか、アイデアが足りないというか。いつも以上にメロディーラインが素直過ぎます。キースの復活直後のライブだから、仕方ないといえば、それで終わりなんですけどねぇ…ジャックのファンなら買いですけどね。