テーマが絞りきれず、残念
★★★☆☆
書名から受ける印象と、内容はかなり違う。書名のような内容を期待するなら同じ著者の「新版写真のワナ」を薦めます。第3章は別のテーマだと思うし、第4章はむしろ「戦争とプロパガンダ」だと思う。沖縄の問題は迫力ある記述なので、この問題に絞って、あとがきにあるように「疑惑の構造」として出版したほうがよかった。著者はカメラマンだけに写真報道の問題を色々からめたかったのであろうが、かえって論点がぼけてしまった感がある。それにしても編集者は何をやっていたのかな。ふつうは編集者がもっと整理するのに。とにかく新藤ファンとしては残念な1冊であった。