怒ってるねぇ、ドーキンス先生
★★★★☆
ドーキンスファンとしては、言いたいことはわかる。宗教屋とかアンチ進化論派への反論にはなっているよ。
でもさ、もう「利己的な遺伝子」の頃の目新しさはないよね。
なんか、どんどん「普通」の進化論者になってしまって、かつてのカリスマ性は……かろうじてか?
翻訳がいけないのか、本人の書き方のせいか、相変わらず読みにくい。言い回しがね。
分厚いし、最後まで付き合うのに、かなり疲れさせられた感は否めない。
面白いけど、ファン以外の人が、この分厚さと値段で買うかねぇ。
さすがに★5は無理だなぁ。もう少しなんとかまとめてほしかったなぁ。そしたら、もっと読まれると思うんですがね。
エキサイティングな最新の進化論
★★★★★
アメリカ人で進化論を信じているのは約40%に過ぎない。宗教や教育に原因があると考えられる。進化論を信じない「歴史否定論者」の特徴は、無数にある進化の証拠を無視し、誤った信念に凝り固まっていることである。
本書はこのような「歴史否定論者」に対して、最新の発見や事実、ロジックを駆使して進化論が疑う余地のない「事実」であることを証明することを目的としている。このため、従来の進化論の本では当然の前提とされてきた事柄も、丁寧に分かり易く説明される。この結果、美しい口絵写真と併せて、本書はエキサイティングな進化論の本となっている。
最新の学術的な成果も惜しげなく用いられているので、本書は、進化論に最初から疑問を持っていない読者も、あらためて、自然の驚異に感動できる内容となっている。最新の進化論を楽しく学びたい人に最適の本である。
ドーキンスの曳地康的考察3
★★★★★
俺曳地康は、勝手気ままな統計のお遊びに過ぎないと思っているのだけれど・・・
進化生物学は、非常に面白いけれど、素人には、かなり難解(笑)
ちなみにドーキンスのエッセイって、どれくらい信憑性あるのですかね
見事な文才
★★★★★
相変わらず文章はうまい。読者の興味の引きつけ方、科学者以外の読者に向かっても科学者として受けた感動を生き生きと伝える筆致など、さすがだと思う。特にレンスキーの大腸菌実験の詳細を軽やかに説明してみせるところがすごい。
ただ全体的には、創造論者への反論が多くて見通しが悪くなっている。まあ日本でも進化を否定したがっている人は少なくないし、アメリカの事情を知るにも良いと思うのだが、ターゲットがわかりづらいかな。本書がうまくマッチするのは学校の教師だろうか。進化の証拠を集めた本としてはジェリー・コインの『進化のなぜを解明する』の方が良くまとまっていて、一冊だけ読むなら向こうをおすすめする。
雲はどのようにしてできるのか?というような問いに、大人なら大まかにでも答えられなければ恥ずかしいように、進化はなぜ事実だと言えるのか?という質問にも誰もが答えられる時代になってほしいと思う。
科学愛があふれる素晴らしい啓蒙書
★★★★★
本書は、アメリカで創造論者の勢力が活発であり、ヨーロッパでもそうなりつつあることに、ドーキンスが危機感を抱いて書いたものだ。だから、日本人にとっては必要ないものかもしれない。しかし、進化を全く疑っていない人にとっても、ドーキンスの精妙かつ情熱的な説明には感服するだろう。そして何よりも、生命の多様性と遠大な歴史に驚異の念を覚えるだろう。
進化を否定する人々、創造論者というのは科学を否定する者でもある。遺伝子や内臓から化石まで、あらゆる科学的証拠が進化の歴史を示している。ドーキンスが彼らを痛烈に批判するのは、科学を深く愛しているからだ。本書にはその想いが散りばめられている。たとえば、レンスキーの大腸菌やエンドラーのグッピー実験の説明、キリンの解剖の描写、そして大型ハドロン衝突型加速器を訪れたときに、「感動のあまり涙があふれた」こと――これらから、科学愛と科学者達への尊敬が強く感じられる。よって、本書は進化についてだけの本ではなく、客観的な証拠を積み上げるという科学の方法そのものを広く認識させ、読者に科学への信頼を高めさせる貴重な一冊なのである。