ご冥福をお祈りします
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栗本薫さんがお亡くなりになりました。56歳。若いですね。
昨今のライトノベルの先駆者の一人でした。
圧倒的な読書量からくる語彙の豊富さは 昨今の作家には見られないものでした。
この作品は グインサーガ1〜30巻の圧倒的なクオリティが 圧縮された感じが強くあり、完成度が高いです。
今も手元において何度も読み返しています。
栗本さんの作品と出会ったのが高校生ぐらいでしたので、その感性に強く影響を受けました。
心からご冥福をお祈りします。
16歳。あの頃は若かった……
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『ヴァラキアの少年―グイン・サーガ外伝(6)』です。
グイン・サーガといえば、本編が100巻以上出ていますので、ちょっと試しに読んでみる、というのがなかなか難しいです。
本作は外伝です。本編における主要登場人物の一人、イシュトヴァーンが16歳の頃、故郷ヴァラキアの地でのエピソードです。
一冊読みきりの内容として、きっちりまとまっています。王道的内容ではありますが、グインサーガシリーズの中でも随一の傑作といっていいと思います。
イシュトヴァーンはヨナという気の毒な少年と出会い、正義感というよりは義侠心に突き動かされてヨナを助けるための冒険をします。
ヨナの姉であるルキアが悪者に捕まっていて、彼女を救出する、というのが目的になりますが……ネタバレになるため詳細は述べられませんが、このルキアというキャラクターが非常にいいです。印象的でした。
そしてイシュトヴァーンとヨナは、その後、本編の中で立場を変えて再会します。それを見ると、「時」の移り変わりというものに溜息が出る思いです。
ヴァラキアの少年レビュー
★★★★★
本編のグインサーガを読んでいなくても楽しめる外伝小説。
16歳の少年イシュトヴァーンの冒険物語。夢と希望の詰まっ
た一冊です。
話もおもしろいですが、何と言ってもイシュトヴァーンとい
うキャラクターがとても魅力的です。自分の才能と運命を信
じて身ひとつで生き抜く彼を見ていると気分爽快です。そし
て少しだけしんみりする小説です。激オススメ。
外伝としての必然性
★★☆☆☆
一冊の物語としては確かに面白い。
しかし、これが『グインサーガ』シリーズの
中の一冊であるとなると少々首を傾げる。
……偉人にも少々お痛な経験は必要か(苦笑)