中世騎士に扮したコスプレのジャケットが、かつてのキング・オブ・ルクセンブルクやモーマスのジャケットを思い出させ、これは期待できると思い、購入したアルバムです。さて、さて中身は、予想したよりも、ずっとゴージャスではありましたが、その度合いの激しさと、独自の美意識をこれでもかと詰め込んでいる感じは、確かに天才（変態）のなせる技だと思いました。過剰な美を感じさせるメロディが次々から次へと溢れ、止まらない感じは、たとえそんなアルバムを作りたいと思っても、常人には出来ることではありません。それをあっけなくやってしまい、なおかつ照れ隠しかのように、フェイクなジャケットでリリースしているという辺り、見事としか言いようがありません。
しかも、2003年という時代に、いわゆる主流の音楽とは、隔絶される中で、これを堂々と発表し、評価を得ていることは、本当にすごいことです。時を経るにつれ、ミュージシャンズ・ミュージシャンとしての評価を上げていくと思います。

ゴージャスでドリーミィでポップで華麗な超贅沢なエンターテイメント性溢れる大傑作。おとぎ話の主人公のようなジャケですがそれが中身を象徴してると思います。ファースト、セカンドも文句なしですがこれと次のWant Twoはそれを上まわってます。個性の塊のような人で、ちょっと過剰なまでの変態さがあるので好みは分かれそうですが一度はまったら二度と抜け出せないほどの中毒性のある音楽でもあります。実際僕はライブ見たさにWant Twoの国内盤もってるのに輸入盤買ってしまいましたし。ドキュメントＤＶＤまっで買ってしまいました。もちろんムードだけで勝負するようなにせもんとは一線を画していてソングライティング、声質、歌唱力全てが完璧。こんな贅沢な音楽見逃したらもったいないです。

両親ともにフォーク・シンガーという
恵まれた音楽環境のもとで育った
ルーファス・ウェインライト。
デヴィッド・ボウイ、ビョークなどを手掛けた
マリウス・デ・ヴライスをプロデューサーに迎えた
3rdアルバム。

トラディショナルなフォーク・ミュージックと
クラシック＆オペラからの影響を反映させたその音楽性は
「ポペラ」「モダン・スタンダード」と称され
賞賛を受けている。

クラシカルなストリングス・ピアノ・ギターを主体に
美しく繊細な歌声で魅了する
華麗なポップセンスは唯一の輝きを放つ。
しなやかで気品のあるその声は天性のものだろうか。
高音がオペラのように伸びていくその唱法は独特で
荘厳で気高く、包み込まれるような錯覚に陥る。
至福という言葉が似合う
素晴らしい音楽。

ゲイであることを公言していたことと
中世趣味のジャケセンスで、
長い間敬遠していたアーティスト。
聴かず嫌いはだめだな、と反省しきり。

ゆうじさん、ありがとう。

15、16曲目のボーナストラックに魅かれてUK盤を購入しました。エンハンスドCDという表示にもしやCCCDなのでは？と焦りましたが、実はシークレットサイトへのリンクだけでした。PCで聴くとライブ映像が見られ、本人のコメントが聞けます。
ライブは・・・素晴らしいです。弾き語りなのですが、Want Oneの全曲をピアノ一本で聴いてみたいくらい。ソングライティングに加えてライブパフォーマンスもいいなんて、ちょっと反則かなあ。
Want Twoが今から楽しみです。

3rdアルバムとなるこの作品もまたしっとりとしたすばらしいものになっています。この人の作品にはずれなし。聴けばその世界に引き込まれ、彼の声に魅了されます。現在いるシンガーソングライターの中でもトップクラスなのは聴けばすぐ納得するでしょう。最高のシンガーソングライターの最新作をぜひどうぞ。