思考を止めるな
★★★★★
素晴らしい。
素晴らしい対談集だ。
僕のバイブルになりかねない。
この対談集をキッカケに、と言うか前々から感じ始めてはいたが、やはり僕の自我形成に最も大きく寄与している作家は「村上龍」であると確信した。
「春樹」では決してない。
「龍」だ。
中上健次、柄谷行人、河合隼雄、蓮實重彦、小熊英二、坂本龍一、浅田彰、渡部直己、田口ランディぃなどなど
そうそうたる顔ぶれ。
そんなそうそうたる顔ぶれの識者達と臆することなく語り合う村上龍。
そんな本書は知的興奮に満ち溢れている。
上記の識者たちを知らない人は知ろう。それくらい知ろう。
IQサプリやDSで脳みそ鍛えてる暇があったら、知ろう。
知的興奮に満ち溢れすぎて、ページには折り目がつきまくっているが、龍が春樹を語る場面が中々印象的だ。
春樹ファンも読んでみると良い。
数ある対談の中でも、やはり柄谷との対談はすごい。
何がすごいって?
読んでみてください。
濃い対談集
★★★☆☆
村上龍の顔と同じくらい濃い対談集。情報量がすごい。
実感として理解できるかは置いといて、印象的な箇所が多い。
日頃、漠然と感じていたことを文字によってクリアにさせられた部分も多い。
でもこんなことばっか考えて飯食ってる人は大変だろうな。
手軽に読めて、結構ヒントもある
★★★☆☆
個人的には坂本龍一との対談が一番面白かった。特に「画像」「音楽」「言葉」の情報量について論じた部分。パソコンのデータにしてしまうと、文字<音楽<画像の順番でデータ量が増えていくわけですが、実際の情報量は、画像<音楽<文字の順番であるという内容。OCRの話が出ているのですが、パソコンに画像は取り込めても、パソコンは人間の文字を正確に認識できない。文字は象徴性が高いため、それを受け取る側に高い能力が必要になる。音楽も画像よりは、文字に近い……といったそんな話が交わされます。
こういう議論は、パソコンに詳しい人はあまりしないと思うのですが、ハッと気づかされる面があった。他の対談者との議論の中でも、こんな感じのヒントがいろいろと出てきて興味深く感じました。出版された時点(90年代後半)と、現在の時代背景の差を感じる面があったり、冗長でやや読みにくい対談が混じっていた(初出媒体が違うので編集方針の差、言い回しなどが忠実な反面読みにくく、分量も多すぎる)のですが、なかなか読ませる内容でした。
なお、初出の媒体で、書き方が違っていて、と、全体を通して、村上龍の天才性を誇示している部分がちょっと鼻に付きました。それが★3つとした理由です。
それぞれに濃密な対話
★★★★★
これは非常に面白かった。顔触れから想像される難解な言葉の往還ではなく、自分の言葉で世界への違和感を語る村上が良い。とても刺激的でラディカルな対話に満ちている。
村上龍の小説にはずっと苦手意識を持っていたが、改めて「五分後の世界」等を読んでみたくなった。著者の作品への理解(というより向き合い方?)がより深まる対談集だろう。
柄谷や浅田といったビックネームに目が行きがちだが、個人的には免疫学者の奥村康氏との「ヒュウガ・ウィルス」を巡る対談が最も興味深かった。
ボリュームはかなりあるが、ぜひツマミ読みをせずに、一人ずつ順に読んでみて欲しい。
無題
★★★☆☆
村上龍と各界で著名なお歴々の対談。濃いくて量の多い「情報」がやりとりされてます。
読んで損はなし。読み返すと、語られている内容で、今世間でそうなっていることも多いように思います。
買って損がないかどうかはその人の判断。文中、坂本龍一の「YMOを聴いていたBOOMをさらに聴いて世代がバンドをやっていてその世代はYMOも知らない」なんて言葉もありますし、この本だけで何かが判ったような気になるのはいかがなものかと思います。当たり前ですがもっと幅広く活字や音楽にお金を使いましょう。