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魂の駆動体 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
爽やかな読後感 ★★★★★
雑誌の紹介で気になり、活字離れの自分でも興味が湧き、手に取りました。 著者の作品に触れることも初めてです。

読みやすく、構成も分かりやすい。SFジャンルながら空想的機械の単語が入り乱れることなく、登場人物も少なめで、主人公は「私」という人称置換しやすいなど、とにかく一気に読破出来ました。
(余談ですが、カバーイラストが変更されてました(クルマに乗る翼人→クルマのパーツと猫と傘が飛ぶ)。ちょっと残念)

…という書評はさておき、クルマ好きとして考えさせられ、また感じ入ることばかり。 このエコが叫ばれるご時世、その主旨は理解しつつも、スポーツカーを駆ることを諦めることが出来ない、でもその理由を論理的に説明せよといわれると難しい。 感情論に陥ることは逆効果でもあり、しかし感情が己を導くことは否定できない、そんな自分を言葉で表現しづらい……。
しかし本書は、理屈ではない"何か"を、魂の意思と表現し、見事に表現してくれている。 性能でも機能でもなく、なぜクルマに乗りたがるのか。 代弁とはおこがましいが、自分の整理出来ない"何か"を昇華してくれる。 読書でこれほどスッキリしたことは久しぶりだ。

一方で、自動運転社会(当に"自動車")となった事象・原因に思いを馳せれば、十数年も前の作品であるのに現代を予想したかのような洞察に感心しつつ、クルマ好きとして危機感を覚えずに入られない。 自動車メーカーは、ビジネスをカネに換算する前に、創業者がいかなる想いであったかを考えたことはあるのだろうか? 時代や社会の流れに逆行しろとは言わない。 ただ魂の求めるところは、僅かでも連綿と受け継がれていくことを知っていて欲しい。

何より最後に、性能でも機能でもなく、バルケッタを「私」の理想像をしてくれたことに、クルマ好きならもはや感謝を捧げる他にないだろう。
一口にクルマ好きといっても様々だが、人馬一体感を演出するスポーツカーは、間違いなくクルマの一つの完成形であり、また追い続けなければならないほど未完成な奥深い領域である。 追い求めるのは我々であり、魂だ。
全てのエンスーへ ★★★★★
「クルマ」とは、ただ目的地に行くための手段に過ぎないのか?
物と人を運ぶため、その安全のために徹底した効率化を図るべき道具でしかないのか?
 
この物語は、その果てにある未来。
「自ら動く車」が当たり前になった時代にて「自ら動かす車」を懐かしむ老人のお話。
そしてその遥か果て、人類が滅び去った後の空飛ぶ人々が「自ら動かす車」に出会うお話。
 
安全性、利便性、環境性能に邁進する今の自動車に感じる悲しさ・空しさを抱く人が、言葉に出来なかった答え。
もしくはそれを当然のものとして疑わない人が知らない「クルマ」の条件。
 
全ては、この一冊の中に。
旧車乗り必読!! ★★★★★
前半はただ爺さんが懐かしのクルマを作る話かなと思いきや…、中盤の突然の場面転換。
前半とどう繋がるのかとワクワクしながら読み進めていくと、「クルマ」をキーワードとして見事に話が繋がっていく。
神林さんは本当に機械と人との関わりを書かせたら世界一ですね。
そして、SFファンだけでなくクルマ好きにぜひ読んで欲しい。特にキャブ車などの旧車に乗っている人は絶対に「そーそーそー」って共感できます。
僕も古いアメ車に乗ってますが、「21世紀にわざわざ旧車に乗ってるのはこういうことなんだよ」、って共感しまくりです。
最近のクルマに乗ってる車好きの人は旧車に乗りたくなるかも!!!
素直に読んでみてほしい ★★★★☆
今までの神林作品と違う~。ドライ&テクニカル、ナイーブな所も独自なセンスとリズムであっさり斬って爽快なところ。。。それが神林流だった。でもこの『魂の駆動体』はストレートにアツアツだ。
ヤケドしそうなくらいに老人コンビが夢を追う、追う、追う!爽快だ。彼が書いてきた少年でこんなにも、少年らしい夢を持っていた人物はいただろうか?・・・神林作品はすべて読んでいるけれど、ちょと、思いつかない。
面白い。。。気持ちが前向きにならざるえない本だ。
世界への扉 ★★★★☆
全てが予測がつくイメージの世界から、何一つ予想通りには進まない現実の世界へと主人公が踏み出すとき、勇気が試され、磨かれていく。個として生きることの意味を再確認させられる物語。