末弥純によるイラストから受ける印象もあるのだがキタイやホータンの描写が、古代中国を下敷きにしている。中国の都に現れた豹頭戦士グィンというイメージも想像するだに、エキゾティックでいい感じである。
読み込んでいくとホータンもけっこうしっかり描写されており、「鬼面の塔」や「さかさまの塔」といった設定などかなり魅力的。
が、いかんせん本作で登場する人物たちの描写が、以前に登場した人物に似た印象であったり(著者がこういう設定のキャラクターを好んでいるのだろうが)、展開が一本道であったり、説明口調のセリフが朗々と続いたりと、最近のグィンサーガにも見られる悪い点が、本作でも散見されるのが残念。