この人の庭
★★★☆☆
1977年に出た単行本の文庫化。
エッセイである。日本各地の庭を歩きまわり、独特の視点から「評価」を下している。
取り上げられているのは、妙心寺春光院、多治見の永保寺、修学院離宮、桂離宮、今日庵、官休庵、浄瑠璃寺、金閣寺、銀閣寺など。
露地、枯山水、夢窓、民家/現代などテーマ別にいくつかの庭を訪れ、思ったことを語っている。
客観的な評価というよりは、独自の美学にしたがったもの。かなり好悪が激しい。
しかし、文章には切れがあり、視点のユニークさも面白い。
ガイドブックではないので、そういったものをお求めの人は別を探した方がいい。
立原ファンが読むべき本だろう。