読み応えのある本格書
★★★★★
本書の前書きで、この本は高木貞治等の本格書を読むための準備の本として書かれたようなことが記されているが、実はこの本自体結構読み応えのある本格書のように私は思う。そもそも1変数の微積だけで250ページも割かれており、内容はデデキントの切断から厳密に理論が展開されている。例などはとても興味深い内容が扱われており、読んでてなるほどと思わされることが多々ある。構成や本文の著者の語りも軽快で読みやすい。これ一冊やりこめば一変数の微分積分は十分理解できるのではないか。
高校生の上級から大学生にお薦め
★★★★☆
いわゆる微分積分を厳密に論じるために必要なイプシロンーデルタ論法を懇切丁寧に書いてあります。従って背伸びをしたい高校生でも、実数の公理に惑わされことがないように気をつけるなら(ここがイプシロンーデルタ論法と違うまた厄介なところだと思いますが)、全体についていけ、大学での微積(というか解析学という名前に変わりますが)を垣間見ることができると思います。また、数学科以外の大学生などの方でイプシロンーデルタ論法をちょっと知っておきたいと思っている方も読んでみてはどうでしょうか?
読み易い本
★★★☆☆
この本は大学一年生向けの微分積分の参考書である。イプシロンデルタ論法を解かりやすく説明してはいるものの、論理に少々おかしな所も在る。イプシロンデルタに慣れる事を目標にしているのなら良いのかもしれないが、本格的に初学者がこれで勉強をする事は無理がある(間違いを発見出来ない)。然しこの本位くどく解かり易くイプシロンデルタを説明している本も他に無いと思う。買って損はしないであろう。