初読では、ストーリーをなぞることに集中してしまったが（それでも十分満足できるが）、
読み返すたび、作者の熱っぽい文章や人物の魅力に引き込まれてしまう。
切なさに涙し、可愛さにふっと笑って。
エロティックな表現も心情表現として織り込まれているのだな、２人が寄り添うための不可欠な要素なのだなとあらためて感嘆したり。
久しぶりに読み返して、また、彼らのことを好きになってしまった。

ただ、ANSWER→SUGGESTIONと歩みを進めた物語は、
まだ少しばかり危うさをはらんでいるようにも、回収できていない何かがあるようにも思えたりする…それも魅力のひとつではあるけれど。
崎谷先生は、今であれば、この物語をどのようにとらえ直されるだろう。

イラストも雰囲気にあっててとてもきれい。大好きな作品です。

ＡＮＳＷＥＲ−ＳＵＧＧＥＳＴＩＯＮと続けて読んだらちょっとお腹いっぱいになってしまい
ました。
表現というか、文節の組み合わせというか置き方というか・・・それらが非常にくどく、
何回も読まなきゃ誰の何にかかってるのか解らなかったり、
２作通じて「いっそ」という言葉の使われ方に違和感があり、加えて、使われる回数も
多いものですから、そんな事に気を取られてしまってやや疲れました。
私の感覚や読解力が悪いのかも知れませんが・・・。
お話自体は、評判通り二人のキャラがとても素敵で、心情も細やかに丁寧に書かれてて、
とてもおもしろく、素晴らしかったです。

先に発売された文庫版Answerの単行版未収録の短編が良かったので、期待して本書を購入しましたが、真芝と秦野の同居後半年、一年経ったその後の短編の出来はイマイチ、ちょっとハシャギ過ぎの感がありました。
単行版を既にお持ちの方であれば再購入の必要はないのではないかと思います。読後の余韻が変わってしまうかも。
ただ、ANSWER-SUGGESTIONと読んで、この二人の物語をもっと読みたい!と思ってしまうのはしょうがない。ある程度覚悟して読んでください。

元々は友人から森川×鈴木千尋のﾄﾞﾗﾏCDをもらい、そこからどっぷりとこのシリーズに
ハマッたのですが、とにかく攻めの真柴にしろ受けの秦野にしろ、脇役のおじ様方に
至るまで全てが最高の存在感。
展開もドラマティックで文句のつけようがありません。
特に年上受けである秦野の芯の強さと、妻を亡くしている過去やかつてはエリート
ビジネスマンだったにも関わらず、妻子の事故死で現在は保父をしているという前向きさ。
かつ強引なのにどこかもろい真柴をさりげなく支え包み込む｢漢」っぷりには脱帽。

また、強引に関係を持ったがゆえに、秦野を深く愛しつつ強気に出られず、へたれな
部分をさりげなく見せる真柴のアンバランスさが良い!
今回は事件勃発で二人の絆が更に試されます。エッチシーン激しく萌え!!!
おそらくは崎谷はるひさんの最高傑作だと確信しています。最近の作品にはほとんど
見られなくなった激しさと優しさを持つストーリーがここに。
書き下ろしもあって満足度120％!やまねさんの美しいイラストもピッタリ。
ぜひ原作を読んだ後はCDも堪能して頂きたい。
そしてぜひまた、この作品の続編を出して頂きたいです!!

［イラスト：やまねあやの］『ＡＮＳＷＥＲ』続編。不本意ながら始まった秦野と真芝の関係も今は落ち着き、しかし秦野は真芝が望む同居に戸惑い頷けずにいる…。―ノベルズ版復刊＋雑誌掲載作＋書き下ろし。表題作「ＳＵＧＧＥＳＴＩＯＮ」他「Ａｄｄｉｃｔｉｅｄ　ｔｏ　Ｕ」「Ｈｉｓ　ｓｗｅｅｔｅｓｔ　ｓｗａｉｎ」「Ｃｏｕｌｄｎ′ｔ　ｂｅ　ｂｅｔｔｅｒ」の計４篇を収録。…今回も大量加筆は無し、だそうで。初刊行時が前作の４年後とあってか、文章が全体的に柔らかく、ぎっしり感減少。しかし、程よく纏まっている感じを受けました。エロは…、前作にも増して濃厚。秦野氏の色香も大幅増。しかし何故崎谷先生のお描きになるエロは、読んでいて気恥ずかしいのでしょう？これは私だけなのでしょうかね、疑問です。兎も角も、総じて読み易いのではないでしょうか？まぁ、個人的な見解ですが（苦笑）。

【年下サラリーマン×保育士】『ＡＮＳＷＥＲ』の続編。晴れて恋人同士となった秦野と真芝。真芝は、これまで自分が経験したことのないほど、秦野に溺れていた。だが、秦野は真芝との間に一線を引いていた。好きだけど踏み込めない。それには秦野の辛い過去が尾を引いていた。

紆余曲折を経て真芝と結ばれた秦野だったが、より近くへ寄り添おうとする彼に躊躇する。それは忘れきれない過去のせいなのか、それとも他のなにかか……惑う秦野を思いやる真芝を大事に思いながらも、「開けない扉」を前にたたずむばかり。それでも何よりも大事な手を取ろうとした時、思いもよらない事件が起きる――。表題作にくわえ、単行本未収録作「Ｈｉｓ　ｓｗｅｅｔｅｓｔ　ｓｗａｉｎ」、ならびに番外編書き下ろし「Ｃｏｕｌｄｎ′ｔ　ｂｅ　ｂｅｔｔｅｒ」も収録しての文庫化。

☆ルチル文庫☆　
［ＣＵＴ：やまねあやの］　
強いられて体を繋ぐ――行きずりから始まった秦野幸生と真芝貴朗の関係も今は蜜月。　真芝を怖いくらいに求め、大切に思っている秦野だが、同居しようという真芝の言葉に応えられずにいた。　真芝を愛しながらも、どこか線を引いている自分に戸惑う秦野。そんな秦野を思いやる真芝だったが…。　書き下ろし作を含む全４編を収録した待望の文庫版！