グラフは全体で70パターン以上を紹介している。冒頭で全パターンを一挙に並べた様子は壮観で、これを見るだけでもビジュアルの説得力の大きさが実感できる。解説では、見せたいものに応じたグラフの選び方や「伝わる」グラフにするためのデザインテクニック、あるいは企画書の要点整理法や文章(ロジック)とビジュアルの相乗効果を高める方法などを「6つの原則」にまとめて示している。また、3-Dグラフは「神の視点」で見下ろす…といった「伝えるセオリー」や、操作面の「極意」なども随時、盛り込んでいる。
ノウハウには、相手のわかりやすさや理解しやすさなどへの配慮だけでなく、相手にどんなインパクトを与え、いかに納得させるかの戦略的な視点が利いている。企画書で陥りがちな自己満足を防いでくれるほか、曖昧な状態のアイデアを整理する役割も果たしてくれる。また、テキストの打ち込みやすさを考慮した「方眼フォーマット」など、Excelのマイナス面をカバーするノウハウも必見。実践的な企画書フォーマットを集めたCD-ROMも付くなど、活用度の高い1冊である。(棚上 勉)