原作を良い意味で昇華させたコミックス!
★★★★★
小説での一巻を終えた内容でこの漫画は完結してしまいますが、消化不良な感は全く感じられません。
非常に喉通りの良い清涼水を飲んだ後の様な、澄んだ名残が感じられる内容となっています。もちろん、彼らの今後はとても気になります。読みたいとも思います。それでも、私は原作の小説を読み知っているので敢えてそれは望みません。
この作品は非常に引き際が良いのが良い所。原作も然りです。
キーリの満面の笑顔、ハーヴェイの不器用な笑顔、それを見られただけで全てが集約されている気がします。原作の挿絵等では決して笑顔が多くなかった二人ですが、この作品中ではここまで幸せな顔をしているのです。
小説中では若干足りないサジ加減の明るい部分を、この作品の筆者は良い意味で描き切ってくれたと私は思います。
『半分の月がのぼる空』の様に、この作品も映像化しないでしょうか?もしするのなら、このコミックと同じ部分で終了しても構わないと思います。
私は最後にキーリがハーヴェイと再会出来た時のあの笑顔が大好きです。一番好きです。ですからそこだけでも見られたら満足です!
皆さんもキーリのその笑顔に会ってみませんか?
その笑顔を見るだけでも読む価値はあります。そして読むととても幸せになれます。
ぜひ御一読下さい。後悔はしないはずです。