本書は、記者会見や雑誌、テレビにおけるカルロス・ゴーンの発言から、計85のメッセージを抜粋して収録した、いわゆる「ゴーン語録」である。メッセージとともにそのポイントが「言葉」として見出しに掲げられ、「解説」として著者による発言時の状況説明や解釈が加えられている。
自著も含めてカルロス・ゴーン関連の書籍は多数出版されているが、本書では、カルロス・ゴーンがどんな言葉を使って人や組織を動かしてきたかが端的にわかるところに特色がある。「ルールはただ1つ。聖域、タブー、制約はいっさい設けないということだ」「会社のために自分が何をすべきかを考えず、他人が何をすべきかを語ることに時間を費やす―― これでは企業には死があるのみだ」「透明性、権限委譲、成果と測定―― この3つがやる気を起こさせるための原則である」「答えは、社内そして皆さんの手中にある。皆さん1人ひとりが会社の将来に必要不可欠なのだ」。ここでリーダーの言葉や思考に必要なものが学べるだろう。また「解説」では、単なる説明にとどまらず、メッセージの意味を膨らませて日本的な企業経営の悪弊を突くなど、歯切れのいい経営論になっている。
語録というスタイルは、どんな文脈で語られた言葉なのかわかりにくいのが難点だが、編者の解説によりその点はある程度カバーできている。カルロス・ゴーンのメッセージはそれだけでも普遍性があり、とくに「再生」を求める企業人の心に深く染み入るはずだ。(棚上 勉)
「なるほどなぁ」と感心する語録が結構あった!
★★★★☆
2001年12月初版発行と少し古いですが、本書に書かれているゴーン氏の語録は、全く古さを感じません。
経営者だけではなく、マネージャ、リーダなど中堅以降の多くのビジネスマンにとって、参考になる言葉、考え方が85記載されている。1語録が2ページの構成になっているので、通勤電車の中などの短い時間でも読みやすい構成である。
「計画の立案は仕事の5%に過ぎず、残る95%は計画の実行にかかっている。」など、「なるほどなぁ」と感心する語録が結構ありました。
いわゆる語録です。
★★★☆☆
目的によって評価が異なるとは思いますが、この本は、カルロス・ゴーン語録です。解説を読めば、それと分かるのですが、内容を理解せずに買ってしまって、ちょっと違ったかな、と思ったものですから。85の言葉とそれにまつわるゴーンさんのメッセージと解説が見開き2ページに収められています。とても整理されていて、引用する時などは良いのでしょうが、やはり原典に触れたいという気持ちが強いのでこの評価になりました。ゴーンさんの言葉は、これまでの日本の経営者に余り見当たらないシャープさがあり、経営のプロの言葉だと感じます。短時間で、ゴーンさんのエッセンスに触れたい方には良いかもしれません。
学生こそ読むべき?
★★★☆☆
個人的にゴーン氏を尊敬しているので何気なく買って読んだ。いわゆる「中堅社員」以上の社会人歴を持つ人にとっては良く分かる発言ばかり(もっとも,分かっていることと,それを実行することは別なのだが)。だからこそ,社会人1年目のフレッシャーズや,これから就職しようとしている学生諸君にこそお勧めの書物といえるかもしれない。いずれにせよ,読んでみて「なるほどね」「分かる分かる」で終わってしまうのか,それともそこから一歩踏み出して何か一つでも実行することができるのか・・・そこが問われると思う。
ゴーンのインタビュー語録
★★★★☆
ゴーンのインタビュー語録を並べた本。
彼がどういう言葉で従業員や社会の人々の心を捉えてきたかがわかる。
応用が利く「答えは会社の中にある」
★★★★☆
私自身、今現在、会社務めはしていませんが、
この本に書かれているひとつひとつの言葉は
普通の生活の中にも置き換えられて、
励みになりました。