雑草処理はあわせ技で
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有機栽培で増収し食味をよくするヒントを書いた本です。イラストが多く、読みやすいです。巻頭はゆき子さんと小祝さんの対話形式で、楽しく読むことができます。
有機栽培をやっていると、大変なのは、害虫と雑草です。害虫に関しては、虫が好むイネはたんぱく質含有量が多いので、タンパク量を減らし繊維質を硬くする方法を提案しています。彼の経験では一度も害虫の被害を受けていないそうです。具体的にはタンパク質をつくる窒素肥料の量、時期、種類を説明します。また、ミネラルを施用することで、葉の表面のケイ素を増やし、虫に強くします。
雑草は「あわせ技」と表現していますが、(1)秋に刺激を与え、雑草を発芽させる、(2)乳酸菌発酵液を利用してアブシジン酸を溶出する、(3)機械除草、(4)米ぬかなどの有機酸処理を組み合わせます。
実際に有機栽培を行っている農家の成功談も掲載されています。福島の農家は寒いところでも発酵が進むように、寒さに強い日本酒の酵母を利用して土作りをしているということでした。
有機栽培のヒントが山盛りの本でした。