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流転の海 第3部 血脈の火 (新潮文庫)

価格: ¥853
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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子供の成長を通した親の姿を見る ★★★★☆
再び大阪に戻って商売をはじめる主人公。
いろいろな事業に手を出し、次から次へと成功していく。
人間関係の様々な問題を彼流にかたしながら。
そんな人間模様と事業の拡大していくのはおもいろい。

この物語の最大のポイントは子供だ。
1部2部では存在だけが重要だった子供が、
この3部では主人公にとってかわらんばかりに、
縦横無尽に何かをやらかしたりする。
そこに子供を通して見えてくる自分の姿を、
これからの人生を主人公が考えさせられるのがよかった。
物語がどんどん深みにはまって・・・ ★★★★★
熊吾が大阪に戻ってきている場面からのスタートです。
1・2部とスーパーマン的な力を発揮してきた熊吾ですが、この巻ではその力がうまく働いておりません。手をつける事業はほぼ失敗に終わります。それとリンクするかのように妻・房江の視点からの語り口が非常に多くなります。
巻末のあたりで起こる事故にも熊吾はやや不運な巻き込まれ方をします。
ほぼ熊吾の物語であった『流転の海』は房江や伸仁などの多彩な視点を伴って、どんどんと深化しています。ああ!早く第4部を買いに行かないと。
父と息子 ★★★★★
3冊目もあいかわらず中毒性の強い小説であった。一度本を開いてしまうと、ページから目が離せなくなってしまうのだ。息子の伸仁は小学校に入学するようになる。そうするとバイタリティ溢れるすごい親父・熊吾と言葉によるコミュニケーションが成立するのだが、これがまた破天荒だけれどやたらめったら面白い。端から見ると信じられないような息子との接し方なのだが、熊吾ならやりかねない、いや、いかにもやりそうだ、と妙に深く納得してしまうのである。脇役に過ぎない登場人物たちもくっきりと鮮やかに描かれており興味が尽きない。心の底から「小説ってほんとうに面白いよな」と思わせるシリーズである。
松吾の家族愛 ★★★★★
流転の海では順風満帆でほかを寄せ付けない勢いのあった松吾が、あっさりと会社をたたみ、郷里の和歌山の地へ家族の健康を慮って住まいを移していく様は、男気があって惚れ惚れする。
しかし、妻房江にとっては新たな試練の始まりだったし、松吾の嫉妬心から暴力も振るわれたりする。
この3部作が人間くさくて、面白い ★★★★★
宮元輝の作品は、おしなべてみな面白いけれど、私のお気に入りはこの3部作。もっと続きがでればいいのに、と

1作目の流転の海から、思っていたら、なんと3部まで続いたが、もっと続けばいいのに、と今も思っている。主人公がいまどきはいそうもない、動物的というか感が鋭い人間で、まわりの人間もそれぞれが、違う意味で人間くさく、まるで映画をみているような気分になる。オススメです。