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模倣犯1 (新潮文庫)

価格: ¥853
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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退屈 ★☆☆☆☆
この作者のものをはじめて読んだのですが、あまり楽しめなかった。芥川賞と直木賞では芥川賞の作品のほうが面白く思う方ですが、直木賞作家作品にある引き込まれるようなときがあったか、ほとんど思い出せません。
文学作品の価値はどれだけ物事を違った見方ができるか、多面的に見られるかが自分にとっては大きいのですが、これだと新聞の世論調査の一番聞かれそうな意見を、物語風に仕上げただけ、という気がしました。
もちろん強く共感はするものの、最後まで、それでどうなんだろう、という空虚感が残りました。
宮部作品史上最も怖い作品 ★★★★★
…なぜならば。
自分だけは、我が家だけはひととは違う。そう思って皆生きている。殺される瞬間まで。
被害者側もなにか普通とは違うところがあったのだ、だから私達とは別世界の問題、私達は安心、と思いたいのだ。
…そう言われたように感じたから。

「火車」の本間刑事的人物は登場せず、淡々と歩みを緩めずに非情な凶行が続いていく。
本間刑事は犯人の背景を描き出しつつ本人に迫っていく軌跡を描きましたが、ここで犯人に迫る役割を得たライターは自らも物語の波に押し流され、浮き沈みしつつ終幕へ向けて動いていきます。
神の救いの手は存在せず、もがき苦しみ、それでも営々と生活を続けなければならない人々がいる。そして、それは特別なことではない。そんな読後感でした。

それでも星5つをつけたのは、エンタテイメントを超えて、宮部さんが犯罪小説をかく意味を聞いた気がするから。
自らの役目を全うしようと仕事に取り組む気迫のようなものを感じる作品でした。
長い・・・えげつない・・・ ★★★☆☆
自分は小説自体あまりよまないので、他のミステリーと比較しているわけではありませんが、この小説は惨い話に感じました。
というのは被害者の数が多く、各々の人となりをこと細かに描写している。そうしておいて犯人に理不尽に殺される。犯人の犯行に至った経緯や黒い感情を1〜2巻にわたって細かく描いている。そして被害者にとって救いとなるような話がない。犯人が裁かれるような話も(小説自体が犯人逮捕すぐに終わり、事後がほとんど描かれていない)。
そんなことを求めるなんて、まさに大衆だと、小説に登場した犯人逮捕に携わった人たちに笑われるかもしれませんね。まあ小説ってことなんで許してください。ただ、読み始めてみると、漫画みたいで続きが気になってどんどん先を読みたくなります。小説自体はかなり長めですが、緊張する場面、盛り上がる場面がテンポよく差し込まれており、読者を飽きさせない。推理要素的なものはなく、犯人や被害者たちのえげつない話を読みたいって方にはお勧めかもしれませんね。
第二部はいりません ★★☆☆☆

この小説は文庫本で5冊で、以下のような内容です。


 【第一巻】  第一部 被害者の遺族および警察側の話
 【第二・三巻】第二部 犯人者側の話(第一部の最後に至るまでの話)
 【第四・五巻】第三部 その後の話

私は、三巻目の途中で読むのをやめようとしました。
それは、第二部で、犯人のイカれた考えの説明や行動が延々と続き、非常に気分が悪くなったからです。
人の首を絞めて殺すときの快感を説明されても、吐き気がするだけです。
スプラッタということではなく精神的にイヤーな感じです。
それに犯人以外の他の悪人も出てきてそのイカれた考えや行動も読んでるこちらをめいらせます。

すべて読み終わってみると、五巻目の展開がすごく面白かったので満足しているのですが、第二部はなくしてしまえば、反吐が出そうなところもなくなり、長さもほどよくなると思います。

第二部がある限り、女性や子供には薦められません。
読者に対して誠実な作家 ★★★★★
久し振りに再読した。あらためて感じたのは、著者の丁寧さと読者に対する誠実さだ。その場面にしか登場しないような人物にもストーリーを持たせ、本筋のストーリーに厚みを持たせるという手法を、「ムダに長い」と感じる人もいるはずだが、私はこれが作者の作品の魅力であるととともに、丁寧さと読者に対する誠実さだと思っている。

そして、長篇であってもリーダビリティが高いのは、ストーリーテラーとしての実力もあるが、もうひとつ忘れていけないのは作者の文章だ。難しい単語が使われることはなく、すっと文意が理解できる。だが、無機質な文章ではない。登場人物のセリフもふくめて体温を感じる文章だ。

著者の作品を全て読んでいるわけではないので断言はできないのだが、彼女の作品ではどんなに残酷な世界が描かれていても、何かしら救いの部分がある。これが、宮部作品の魅力なのだが、同時に物足りなさを感じる部分でもあると思う。

この作品でもそうだ。確かにピースは救いのない人物ではあるが、著者は他の人物に救いを与えている。

ただ、自分自身はそこに、なんとなく物足りなさを感じてしまうので、ここ数年は著者の作品から離れていた。今回、久し振りに再読してもこの印象は変らなかったのだが、これは読み手の好みの問題であり、著者の実力に起因するものではない。

10年以上前の作品なので、設定などの部分で今の時代にそぐわない面もあるが、小説としての輝きは失われていなかった。やはり、日本を代表する小説家の一人だと思う。