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千日の瑠璃〈上〉 (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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一人称というより千人称 ★★★★★
私は『千日の瑠璃〈上〉』だ。
1ページで1日ずつ、風や闇など全て違う視点で語られる『千日の瑠璃〈上〉』だ。「まほろ町」を舞台とした少年世一と一羽の鳥、オオルリの物語だ。昭和から平成に変わる頃が時代設定となっている。できれば、10月1日から読み始めて、1日1ページ、1000日かけて読むのが一番良いかもしれないが、そこまで読み方にこだわらなくても本作品の価値が落ちるわけではない。
特徴としては、主人公をはじめとした登場人物の視点を直接描くのではなく、その周囲の様々なものの視点で描いているため、極めて多角的で詳細であることがあげられる。一見無関係の音と音とが重層的に奏でられて完成する交響曲のごとき壮大さである。文体は非常にかたく、難解な語も多い上に、上下巻で1000ページという厚さであるし、物語自体もゆったり進行する中でも盛りだくさんで、登場人物も実はかなり多い。だから生半可な読者では読むことすらあたわず、読んだとしても私の世界を堪能することができるかどうか。しかし、つまらないわけではない。ハードではあるが心地よい文章により描かれた物語は連作掌編のような形をとってはいるが、大作長編である。パラパラ漫画も、コマ数が多くなればアニメーションへと昇華し、キャラクターが本当に生きているかのごとく動き出す現象と同じだ。作者の丸山健二らしい力強い世界観が存分に盛り込まれている。丸山ファンは是非読むべし。有名人気作家の作品だけが全てではない。丸山を読まねば損であるといえよう。
こんな文章もあるんですね。 ★★★★☆
題名のとおり、千ページからなる作品です。作者も読者もよく頑張ったなあという感想。著者の才能が遺憾なく出された一つだと思います。くせがあり、好き嫌いはあると思います。せりふが少ない、文章が長い、知らない漢字や言葉がたくさん出てくるので、この人の本は辞書を傍らにを読みます。でもおもしろいです。思わず笑ってしまう箇所がいっぱいあります。じわっと伝わってくる著者の人間性が魅力的です。まあ一度、手にとって味わってみて下さい。
新しい小説のかたち ★★★★★
丸山健二は日本の作家で新刊で購入する数少ない作家である。
この人の小説を読むと文章の力というものを感じることができる。
特にこの小説は千の視点から書かれており、彼の文章の力をもっとも
感じられると思う。
一人の人間の生と死をメタファとして一つの世界の生成と消滅が
独特の文章で描写されるのは圧巻だ。