物語はほとんど老姉妹の会話だけで進んでいきます。
二人は年をとっているのに、娘のようにかわいらしいところもあって、噂話が大好き。
妹が家を離れてからは会話のかわりに手紙によって話が進み、突然告訴状や調書が混ざる。そういった過不足のない文章から、読者は好きなように想像して読み進めることができます。最初よくわからなかった人間関係や状況が、手探りのように読んでいくとだんだんわかってくる、この面白さ。
こういった手法は彼お得意のもので、有名な『蜘蛛女のキス』もほとんど会話だけですし、『赤い唇』は手紙だけで構成されています。
もっともっとプイグの作品が読みたか!った……。