宇宙SFの元祖で古典
★★★★★
今更言うまでも無い宇宙旅行SFの元祖です。現実のロケット研究の創始者だったツィオルコフスキーやゴダードやフォン・ブラウンもこの本の愛読者でした。アポロ8号のフランク・ボーマン船長もこの本のちょうど100年後に自らが搭乗したミッションの進行が驚くほどこの小説に似ていたため当時よりこの本を賞賛しています。もちろん1860年代(日本では幕末!)に書かれた小説ですので現在の科学的見地から見ると古臭さは否めませんが、昨今流行の「スチームパンク」として読めば十分娯楽に堪えますし、かえって新鮮かもしれません(笑)。まだ無線通信が発明される前の時代だったので「弾丸に電線をひっかけておけばモールス信号で地球と電報のやりとりができたのに」「それじゃあ地球の自転でケーブルが巻き戻されて地球に引っ張り戻されるよ」という会話に爆笑しました(苦笑)。まあ、それは愛嬌としてもこの時代にすでに「地球脱出速度」「酸素酔い」「無重力」「軌道修正」に言及しているのは驚くべきことです。よく言われる「地球脱出速度を打ち上げの際に一気に加速したらGと空力加熱で一瞬に砲弾は押しつぶされ燃え尽きてしまうという突っ込みは原作者のヴェルヌは十分理解していて、かなり不十分とは言え言い訳のガジェットも用意されております。月軌道で火薬ロケットによる軌道修正を記述しているくらいですからヴェルヌも「ロケット」という概念はすでに持ち合わせていたはず。にもかかわらず物理的にかなり無理のある「大砲」を用いたのは宇宙開発と軍需産業の癒着という風刺を描きたかったからと今では言われています。まさしく現代のロケットは大陸間弾道ミサイルから発展したものでヴェルヌの風刺の驚くべき先進性が伺えます。
PS)前の方がちょっぴり書いているメリエスの映画版「月世界旅行」は原案だけヴェルヌを拝借しただけで大砲で打ち上げる以外は内容はまったくベツモノです。ヴェルヌの小説版では異星人は出てこないので念のため......
原作の方は殆どおぼえてないが。
★★★★★
あまりにもメチャクチャな設定が、かえって面白かった。大砲で月まで宇宙旅行しようとは、すごすぎるよ本当に。細かいことは原作の方はもう忘れたが、映画の方じゃ宇宙人なんかも出てきたっけな。あと、でっかいトカゲみたいなやつ。もう、全てがウソくさいがSFの古典ということでは、貴重な一品。
月に生命体はいるのか?
★★★★☆
最初からアクシデント勃発!順調な宇宙旅行などを書かないところがさすがヴェルヌといった感じです!冒険旅行、しかも宇宙、そして私たちに最も身近な月めがけての好奇心いっぱいのフライト。科学の知識も読み応えあるし未知の世界への探究心、次から次へと起こる予期しなかったアクシデントで目が離せません。そんな小さな宇宙船(?)の中の人間模様はとてもおもしろく、個人的にはミシェルがお気に入りです。気になる月の実態もイメージしやすく、無事故郷に帰れるのか読み進めていくと「えー!想像とちがった」となり私はけっこう楽しめました。ストーリーは子供から大人まで、宇宙科学や理論は時間のある大人がよむとなかなかおもしろいと思います!
科学は進歩している
★★★★★
当時の宇宙に対する認識を知ることが出来る本です。
現代の科学から見れば首をかしげるような現象も
当時の人間達には当然の想像だったのでしょう。
当時の科学を具体的に書いているのでやや難しい部分もあると思いますが、
高校生までの科学と数学の知識があれば今と昔の比較が出来て楽しいです。
ヴェルヌの夢
★★★☆☆
まだ月へいけなかったころ ヴェルヌはこんな夢を抱いていたのかもしれません。 話の内容は、バービーケン率いる大砲クラブ。その中で バービーケン、ミシェル アルダン、 ジョナサン ブラムズベリイが選ばれ大砲に乗って 月を目指す。 さてこの三人は月にいけるのか...