とても参考になりました
★★★★★
今小学生の子育て中なので、特に初等教育のくだりに興味を持ちました。日本の教育は理解度を適語補充や選択問題で評価する傾向にあるのがとても気に入りません。どの教科も押し並べてキーワードとなる言葉探しと、その記憶に終始してしまうからです。その上、親の目から見ても、そんな事を知っても生活の足しにならないと感じてしまうものが多いのです。つまり、内容が生活に密着していないのです。子供が勉強に興味を持てない最大の理由は、今の教育が子供に勉強とは実際の生活に何の役にも立たないという価値観を与えてしまっていることではないでしょうか。
また、学びは本来教科の枠にとらえられるものではない点も同感です。何かを正しく学ぶには、その形状をとらえるため美術的描写力、実際に分析するために数学力、知識を得るために国語的読解力、社会への影響を知るための社会科的知識が不可欠です。あらゆる知識があらゆる分野にかかわりを持つことをありのままに教えることは、実践的で、とても重要なことです。教育を与える立場の親として、とてもいい教材となりました。
専門的すぎて
★★★☆☆
フィンランドと日本の理科教育の違いを様々な角度でとらえているが、少々内容が専門的すぎる。日本の教科書とフィンランドの教科書の内容を小中学校それぞれで比較するばかりか、1ページあたりの字数まで比べている(考えようによってはすごくマニアック。しかも、書いていることは日本の教科書はいかに内容が乏しいかということ。たぶん、みんなそう感じていると思うことが詳しく書かれている。)。このような内容が約7割である。その他はというと、PIZAの学力調査の結果関連が2割、最後にやっとこれから進みべき点が出てくる。ここまで到達するのに「長かった」という感想しか残らない。フィンランドの指導要領や教科書についてものすごい関心がある人にはたまらない本かもしれないが、フィンランドの教育をどう日本の教育に取り組んでいくか考えている人には少し物足りないかもしれない。