南アフリカの真実和解委員会の意義、限界などを詳しく検討
★★★★☆
南アフリカの真実和解委員会の働きや意義については本書以前にも研究がありましたが、本書はその体系性と網羅性においてぬきんでています。また、捉えにくくどう評価してよいか分かりにくい「和解」の概念についても詳細な検討を加え、その独自の意義を指摘しています。被害者の証言や委員会の実際の様子なども詳しく、参考になるでしょう。労作です。
やや難解なところもありますが、世界各地の人権侵害への対応とその予防を考えていくうえで、示唆に富んだ書だといえます。なお、同著者の近著「真実委員会という選択」もおすすめです。