当時の日本の国力と技術力で、零戦のような一級品を作ることはひとつの奇跡である、と考えていましたが、その奇跡がどのようにして起こったのか、が本書を読むことによって理解できました。
戦争中に日本に物資が乏しかったとはいえ、戦時中の戦闘機が基本設計を変えず5年間も製造され続け、しかも最後まで一定の成果を上げていた、という事実はいかに零戦が優れた戦闘機であったのかを物語っています。その名機の歴史に興味がある方にはお勧めです。
本書に興味を持たれた読者は柳田氏の零戦ものを続けて読まれるとよいだろう。