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「死」の教科書―なぜ人を殺してはいけないか (扶桑社新書 20)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 扶桑社
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より良く生きるために死を考える ★★★★★
本書を読んで、「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いには、人の数だけ答えがあって、そのどれもが尊重されるべきなのでは、と感じました。
その答えを出すに至った、その人なりの「考えた軌跡」を尊重したいと思います。

そして、一人でも多くの人にこの本を読んで欲しいと思いました。
自分はどう生きたいか、どうし死にたいか。
裏表のこの問いに対する答えが出たとき、「よりよく生きる」ことができるのでは、と思います。
考えさせられるが、問題点もある ★★★☆☆
本書は、8章構成になっており、1章が現在の日本人の生死観に関する概論。2章、3章がJR福知山線を中心とした事故・災害とその周囲の人々の思い、4章が自殺、5章が死刑制度、6章が終末医療、7章が葬儀、そして終章が戦争となる。
この中で、内容として良いと思われるのは、2章、3章、そして6章だろうか。事故で身近な人々を喪った者の思い、叫び、実際に終末医療の場で働く人々の抱える葛藤…これらは、命とは、死とは誰の為のものなのか考えさせられる。
同じようなものは、4章・自殺によって身近なものを亡くした人の言葉であるとか、5章での刑務官の葛藤にも見て取れる。ただ、その部分は良いのだが、データ、統計の扱いには疑問を覚える。例えば、秋田の自殺率増加を「コミュニティ破壊の結果」と言うが、経済的な理由も考えられるだろう(過疎化は、経済的に困窮した結果、ともいえる)。この辺りが一方的なのは気になる。
そして、一番どうしようもないのは第1章。ここでは、生死観の変化、と言うのであるが、ここは常に「今の若者は、生死観がおかしい」と言う前提で、「今の若者は命を大事に思わないから、異常な少年犯罪が起こるし、自殺も多い」なんて俗論が並ぶ。異常な事件について言えば、件数も減少していれば、『戦前の少年犯罪』(管賀江留郎著)などで示されるよう、昔も大量ある。また、後者についても青少年の自殺は減少しているのだが(ここで矛盾が生じないようにするためか、4章の自殺の部分で、自殺者数を30代以上は年代で最悪。それ以下では「生徒・学生の自殺者数が過去最高」などと書いている。進学率が増え、分母が増えれば、分子も増えて当然である)
「死について考える」と言うことは、大事なことであるし、また、意味のあることだろう。そして、本書はそのきっかけの一つにもなると思う。ただ、その一方で、注意して読まなければならない部分も多いと感じる。
どちらにしても読んでおきたい ★★★★★
新書にしては分厚い本です。しかし価値はあります。
最終章に特攻死を取り上げるあたり、おっ産経新聞、という印象はありましたが。
そもそもなぜ、社会部でも東京でなく大阪なのか、ということにすら、重要な意味があるとのこと。
丁寧な取材で、取材対象者に寄り添い共に泣いて信頼関係を作り上げ、「あなたになら話しても良い」「あなたには聞いてもらいたい気がする」と積み上げた記事なのでしょう。
私も、とある天災で父を突然亡くしました。リアリティーが湧かないまま妙に冴えた頭で葬儀を段取り、自分は冷たい人間なのかと悩みました。
「なんで死んでしまったの…」と悲しみが襲ってきたとき、同時にかすかにほっとしたことを覚えています。自分にも悲しいという感情がちゃんとあったんだと。
また、伯父が亡くなって骨揚げの時、5才だった娘は直視することができず、目を覆って逃げ回っていました。デリケートな娘ですが、得難い経験でもあったはずです。
悲しい別れを体験した人はその意味を再確認するために、体験したことのない人はすこしでも自分事に感じるために、読んでおいた方が良い本だと思います。
「死は、本人のものか。残された家族のものか」という本書の問いかけが、心に響きました。
読むべき一冊。 ★★★★★
 「なぜ人を殺してはいけないか」の問に答えられない人は驚くほど多い。そして、「そもそも人を殺すことは如何なる状況であってもいけないことなのか?」との問に対しては、哲学を生み出せなかった日本人の思考では殆ど思惟の外側の問題である。

 これらは正解のない問ではあるが、しかし自分なりの「正解」を人はその人生の過程で形成するはずであり、またそうした社会であるべきだと私は思う。勿論、世の中には「人を殺しても良い」と考える人も存在するだろうし、ことによっては「自分が殺される可能性を考慮にいれても、人は人を殺してよい」とする、ある意味で整合的な人もいるかも知れない。「人を殺してはいけない」という考えが絶対に正しいという保証はどこにもない。現実に世界で死刑が存在し、戦争が起きている事実を考えれば、「人を殺さない方が良い」とか、「人を殺さずに済む社会の方がよい」などの方が、「他者を認めるて、そして自分も認められる」という社会を構成しやすいのではなかろうか?

 しかし本書には、あまりそうした思惟を促す内容なない。現代社会に頻発する事件や災害に対しての警鐘が本書がかかれた目的だからだろう。その意味で、この本じたいが「読み手の思考を殺している」と(かなり極論だが)も考える事が出来る。だが、本書には現実をそれなりに認識するという、意義もある。そしてテーマの重要性を考えると、読むべき一冊に思える。
何故人を殺してはいけないのか ★★★★★
何故人を殺してはいけないのか

 産経新聞の特集を纏めた本です。一番素朴な質問、「何故人を殺してはい
けないのか」。じゃ、戦争で人を殺すこと、死刑の執行人は何故人を殺しても
いいのか。テレビゲームをやりながら「死ね、死ね」と叫んでいる子供にどの
ように注意したらいいのか、考えさせられる事は非常に多くなっています。
 自殺する人は先進国の中で一位を占めている現実をどのように解決したら
いいのか。カフカぼ「真実のない生というのはありえない。真実とはたぶん
生そのもののことだろう。」という言葉が考えさせられます。
 読み応えの有る一冊です。