話は前作龍の灼熱、Dr.の情愛 (講談社X文庫―ホワイトハート)から続いています。
藤堂組を潰そうと決心した清和の前に立ちはだかったのはなんと氷川。
自分を襲った男をかばって戦争をやめさせようと清和から逃げ回る氷川という、ちょっとこれまでとは毛色が変わった内容。

氷川が女々しくずうずうしくなってきたとも取れますが、逆にあの妖精ぶりに拍車がかかりより一層面白さが出ていると思います。いつもの嫉妬会話とかは皆無で、逆に藤堂の過去や桐嶋の過去など真実がぽろぽろ露見してきてことの真相がはっきり見え、より一層話に引き込まれます。

そしてこの本もまた逃避行の途中で終わり龍の求愛、Dr.の奇襲 (講談社X文庫―ホワイトハート)に続くわけです。

シリーズ5作目です。
今回もキャラクターがものすごく良かったです。
氷川や清和などの中心人物から、京介やショウ、桐嶋といったサブキャラの個性がすごい!
ストーリーも、飽きない展開で読みやすかったです。
今回は清和が嫉妬する回(笑)
ものすごーく妬いて怒ってるんだけど、氷川相手には怒鳴れないってんで静かにキレる清和にキュンキュンです。

奈良先生のイラストも華を添えてます。
一読の価値ありですよ。

氷川諒一、随分女々しくなってませんか？？？
相当な覚悟を決めて、今の立場に居るのだろうに・・・
今作、泣いたりしつこいくらい橘高清和の脚を引っ張っていて、鬱陶しいぞぉ。
清和君の立場をわきまえない言動も、度が過ぎると鼻につくよ！

清和君は相変わらず無口だし、大活躍・・・って感じでは有りません。
清和君は出し惜しみされているの？もったいぶって隠してあるの？・・・つまんないぞぉ。
変わりに活躍しているのは　元気のいい脇役ばかりで、影が薄いのはやっぱり清和君・・・これってどうよ？
特に今回、部外者の京介君がヒーロー並に暴れています・・・強すぎ・・・。
笑いを誘うつもりらしいが、殴られても蹴られても何度も立ち直るショウはもう人間じゃない。
涼しい顔で無敵の強さを披露しちゃう京介も、ショウ以上にサイボーグだ。
もはやこれは、「氷川と、元気なヤッちゃん達」の、単なるドタバタ劇場ですね。
度を越す作者の悪ふざけ・・・と感じたのは、私だけか？
何しろ笑えないし「やり過ぎ」にも虚しくなってしまいました。

いろんな意味で、はらはらしながら読んでいる樹生さんの最新刊。微妙な位置ながらコースを定めてそれなりに安定飛行に入ったようなので安心した。コメディなのにシリアス。ありえないけれど読ませる展開。ドクターもようやく母親から極道の妻になったので、ここはもうひとつ、男前のところを見せてくれたら言うことない。でも、今のままでも最強かな？