最高
★★★★★
クリムゾンのアルバムでも3本の指に入る作品です。ぜひかって聞いてほしいです。古くありません。
1stに比べれば見劣りはする。
★★★★☆
門外漢の私から言わせれば、ジャズっぽさとヘヴィさが程良く融合された1stに比べて、こちらはややロックの色が濃いように思う。
それゆえ、面白みが若干薄れている。
しかし、ギターがより前面に押し出されていて、ハードロックを好む人間には受け入れやすいのではないだろうか。
静と動、洗練と破壊
★★★★★
黒地のバックに3人のムサイ男たちが正面を向いている。右端の眼鏡をした男は、眼光鋭くある意思を感じさせながら見るものを圧倒している。真ん中の長髪の男は、一見、正面を向いているようだが、実はやや右方向に視線を投げかけている。そして、左端の男は、口元に薄笑いを感じさせる筋肉の弛緩を確認できる。そのため口元から頬にかけて陰影が発生し、視線は正面を見ながらも不可解なアイロニーを想起させている。
ご存知、右からロバート・フリップ(Robert Fripp)、ビル・ブラッフォード(Bill Bruford)、ジョン・ウェットン(John Kenneth Wetton)、所謂、プログレ界の重鎮達である。
このアルバムは、プログレ史上、3ピースバンドにおける異常な緊張感(静と動、洗練と破壊)を体現した数少ない現象の記録であり、その威力は現在でも聴く者を情緒不安的にさせ、自身の存在についても一抹の危うさを喚起する媒体としてしっかり機能している。しかし、このような共振する闇空間を理由もなく?渇望してしまったりするリスナーも多いのではないだろうか?一言で言えば中毒性があるのだろう。
つまり、最初は不快で嫌ーなノリだが、聴き込むと何故か定期的に脳がリスペクトして過剰供給を希求してしまう、という症状招く毒薬でもある。70年代のノスタルジーではなく、現在でも有効な作品といっても過言ではない。
これで終わっていればカッコ良すぎたクリムゾン
★★★★★
フリップがスタジオで即興的に作曲した「Red」。へヴィーなギター・リフよりもパワー漲るリズム隊に魅かれる。
クリムゾンらしからぬシンプルなギター・リフで始まる「One More Red Nightmare」。この時クリムゾン解散を決めていたフリップの投げやり感がこの曲にも表出しているが、あまり煮詰めすぎていない分ストレートなのが良い。メタリックなアルペジオに導かれる間奏がスリリングだ。ビートルズの「I Want You」みたいにいきなり終わる。そういえばちょっと似てる?
ファイナルは必殺のキラー・チューン「Starless」。いつ聴いても泣ける。ほろ苦いロマンチシズム。フリップの激情ギター・ソロ。この世の終わりみたいな歌詞。クリムゾンの別れの鎮魂歌−最高の有終の美−じゃなかったか。
高次元のエネルギーとリリシズム
★★★★★
『太陽と戦慄』から本作にいたるキング・クリムゾンの作品が
巷間言われるほど破壊力があるともメタリックとも私は思わない。
メタリックなとんがり具合ならジョン・マクラフリン&マハヴィシュヌ・オーケストラ
『火の鳥』の方が凄まじいし、破壊力や禍々しさなら
デミセミクエーバーが「マジック・マザー・ホール」一曲でこの作品を凌駕している。
大体、ロバート・フリップ大先生は正攻法のインテリ過ぎて面白くないのだ。
同じインテリならジェスロ・タルを率いるイアン・アンダーソン爺さんの方が、
知性の限りを尽くしてバカなことをやってくれるのではるかに楽しい。
とは言うものの、この作品の魅力は否定しない。
ロバート・フリップのギターは時に怪獣の咆哮、時に悲嘆の呻き声。
ジョン・ウェットンはヴォーカル、ベースともに文句なしの重量感。
ビル・ブラフォードのドラムはロックらしいダイナミズムに今一つ欠けるけど
(実際ジャズ指向の強い人で、最近のインタヴューではロックをボロカス言ってる)
この人のドラムでなければエネルギーと叙情性ばかりが暴走して
こうも緻密な作品にはならなかっただろう。
浮かず引っ込まずエキサイティングにバンドを引っ張る
ゲスト・ミュージシャンのヴァイオリンやホーンも素晴らしいし、
どう見てもリスナーにメンチを切ってるジャケットもナイス。
やけっぱち寸前のエネルギーと叙情性で、リスナーを
レッド・ゾーンの更に向こう側までトリップさせてくれる作品。