リアル・タイムではないのですが、「ブロンド・オン・ブロンド」と並んで大学時代に最も聴いたアルバムです。エミルー・ハリスは既にそれまでに数枚嗜んでいたのですが、ディランのヴォーカルと合っているのかいないのか、それがまた格好良くて、スカーレット・リヴェラのヴァイオリンとの絡みと併せての聴き所になっています。ブートレッグ・シリーズの「ウィットマーク・テープ」と、ディラン版「モノ・マスター」の発売を間近に控えて、持っていなかったこのアルバムのリマスター盤をなんとなく購入したのですが、いまでも聴いているアナログ盤が収録時間の関係からか心なし音圧が低いような気がするので、改めて聴くには値段的にもお買い得な一枚です。

ボブディランの初期有名どころアルバムは聴きましたが、どうもしっくりこなかったアーティストです。音が性に合わないんだと思ってました。このアルバムを聴くきっかけは、ボブディランとは知らずに４曲目の「ONE MORE CUP OF COFFEE」を聴いてからです。「何これ？めちゃかっこいい音。ジプシー風フォークロック？ボブディランなの？」ってな感じです。ある意味ボブディランにはまらなかった人にお勧めなアルバムかもしれません。今でいうミクスチャーですかね。全曲いいですよ。

もう何回チャレンジしても私にはしっくり来なかったボブ・ディランですが、ようやく私好みの音を作ってくれたというのが当時の素直な感想でした。私には非常に聞きやすかった思い出の１枚です。一言で言えばロックっぽくなったということですね。バックも多種多様なサウンドが散りばめられていて、サウンド面でも先駆者の面目を奈何なく発揮している。月日の経過とともにお気に入りの曲もかわってきましたが「one more cup of coffee」は何時聞いてもいいです。でも相変わらず歌詞は難しいですね。不思議なアーティストです。

リアルタイムで初めて聴いたアルバムなので個人的思い入れも強いが傑作です。
1曲目のハリケーン。言いたいことを無理やり音楽の乗せて歌っている疾走感が
たまらない歌でDYLANの傑作中の一曲。初めのバージョンは張り切りすぎて言い過ぎが
目立ち弁護士から差し替えを命じられたのは有名な話。
でも実際のハリケーン・カーターはDylanが世界チャンプになると言ったほど
強くはなく普通の中堅ボクサーだったらしいが。
ここでのDylanは刺激を求め、Jack Levyとの共作が多いのだが実際の曲は完全に
Dylan節であり、歌詞以外にはあまり効果なかったらしい。
長い曲が多いのも特徴で初めて聴くととっつきにくいかもしれないが名作で
あるのは確かです。

ジプシーバイオリンだとか中東風音階が出てきたり
無国籍風アレンジが凝ってて面白い作品だとは思うけど
何か食傷気味に聞こえてしまう。
ローリング・サンダー・レビューのライブ音源を聞いた後だから
こんな感想になってしまうんだろうか？
あっちと聴き比べると無理やリ整合してみました、という印象を抱く。
しかしHurricaneは間違いなく大名曲。
ディランにしてはあまりに感傷的なSaraも大好きだしIsisも良い。
自分もそうだったし人によってはとっつき易いアルバムだと思うが
自分は今はあまり聞かなくなった。