表題曲の<1>がグラミー賞の最優秀レコードと最優秀歌、アルバム自体も最優秀賞を受賞、サイモン&ガーファンクルを世界的トップ・アーティストへと導いた6枚目の作品。トラディショナルなフォーク・ミュージックを基軸にした情緒豊かなソングライティング、激動する世相をナイーヴな心象風景とリンクさせた歌詞、そして、あまりにも美しいメロディとハーモニー。このアルバムには、60~70年代を代表するポップ・ソングを数多く生みだした彼らの才能がひとつの結晶となり、キラキラと輝いている。
南米の民謡をカバーした<2>、ニューヨークの風景を描写したリリックがすばらしい<8>など有名なナンバーがずらりと並ぶ本作だが、きわめつけはやはり<1>。「僕は君のためなら身を投げ出し、明日にかける橋になろう」というフレーズで有名なこの曲は、20才前後の普通の若者たちが兵士となり、次々とベトナムに赴いていた当時の社会状況をまっすぐに反映した名曲だ。アコースティック・ギターを中心としたサウンド・メイクが注目されがちな彼らだが、その表現の奥底には、人間らしい生き方を模索する真摯な態度があったことを忘れてはならない。(森 朋之)
高校生ですが…
★★★★★
若い人たちには合わないなんて思っている方がいたらそれはかなりの偏見です。
まず、古臭くないです。
むしろ同じような曲が散乱してるJpopからの呪縛が解かれ、ポール・サイモンの曲・歌詞・しっかり下パートを奏でる歌声そしてアート・ガーファンクルの天使のような美声にのめり込むことになるはずです。
グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞したこのアルバムは皮肉ながらデュオ最後の作品となってしまいました。
表題曲の輝きはもちろん、収録曲はみな驚きのクオリティです((((゜д゜;))))
ディランより人気があるP・サイモン
★★★★★
1999年7月にNYのマジソン・スクエア・ガーデンで見たボブ・ディランとポール・サイモンのジョイント・コンサートでは地元NYのサイモンが人気があり拍手も多かった。しょせんディランは「ミネソタのイナカッペ」で「チビのユダヤ人」「嘘つき野郎」(サム・シェパード「ローリング・サンダーログ日誌」より。かつての恋人・ジョーン・バエズがディランを面罵した。半分演技、半分本音。ディランは黙って聞いていた。凄いエピソードでバエズは怖い)ポールもアート・ガーファンクルもユダヤ人である。二人は芸歴は古く子供時代からの親友だったが成功してからはお互いの顔を見るのも不愉快なほど険悪な仲になった。現在もそうである。漫才師はプライベートでは仲が悪いのと同じかな?それでも異常なほど不仲。「チビのユダヤ人」P・サイモンのほうが音楽的才能がある。貧しい生まれで学歴はNY市立大学。ガーファンクルは恵まれた家庭に生まれコロンビア大卒。階級的対立か?アートはポールと顔を合わすのが嫌で俳優に。ニューシネマの「古典」「愛の狩人」(DVDなし。頭にくる)ではやはりアイビー・リーグのペン大卒のキャンディス・バーゲンの夫役に。バーゲンの好みではないらしくロマンスはなし。アートは今では禿げ頭の爺さん。ポールはそれほど老けてはいない。現役だからだろう。昔のファンが見たら泣くぞ。
「明日に架ける橋」だけじゃなくて名曲揃い!
★★★★★
「明日に架ける橋」「ボクサー」は言わずと知れた名曲で
もちろん素晴らしく良いのですが、
ベストじゃなくて、このアルバムを聴く意味があるのはやはり
全てが名曲だからこそだと思います。
フォークロックとかポップロックのように言われてますが、
ポールの幅広い音楽性とガーファンクルの美しい歌声が堪能
できる素敵なアルバムです。
個人的に好きなのは、4曲目の「キープ・ザ・カスタマー・サティスファイド」の
アップテンポで陽気な曲調から、オサノヴァ調の「フランク・ロイド・
ライトに捧げる歌」でしんみり浸る流れですね。
サイモンとガーファンクルが来日公演をしたそうだ。
★★★★★
わたしは12歳から熱烈なポール・サイモンPaul Simonのファンだ。いちど「ボーン・アット・ザ・ライト・タイム」の大阪城ホーム公演を聴きに行ったことがある。今回の東京公演ではサイモンがステージで「ニューヨークの少年The Only Living Boy in New York」を歌ったらしい。公演を聴きに行った織田哲郎氏がブログに書いていたのを読んで、ちょっと感激してしまった。そぉかぁ、オダテツ氏も「ニューヨークの少年」好きだったのかぁ・・。オダテツ氏はわたしよりかなり年上だけど。やはり本当にいい曲は世代に関係なく聴き継がれていく。
それにしてもオダテツ氏、さすがプロの作曲家だな。「『明日に架ける橋』は自分が一番最初に買ったアルバムで、このCDに入っている音はぜんぶ覚えている」・・・かっこよすぎる。音楽的な才能のある人が聴くと、サイモンのすごさが普通の人よりよく理解できるだろうから、それはそれでうらやましい。
「ニューヨークの少年」はサイモンがこれまで書いたなかでは一番きれいな曲だ。
ポール・サイモンのシンガーソングライターとしての、50年以上のキャリアにおける最高傑作だとわたしは思う。
世間的に流行ったのは、「明日に架ける橋」「コンドルは飛んでいく」とかああいう曲だ。個人的にあのアルバムの中で好きなのは「いとしのセシリア」と「ニューヨークの少年」である。
「ニューヨークの少年」はアーティ(ガーファンクル)を交えずにサイモンがソロで歌っている部分が長い。アーティの声も入っているが、バックボーカルに徹している。憶測だけど、サイモンは自分が本当に気合を入れて書いた曲、サイモンが俺の最高傑作だ!と確信しているような曲は、自分ひとりで歌いたかったのではないかと思う。「明日に架ける橋」はドュエット(アートのほうが目立つ)なのに、「ニューヨークの少年」はほとんどサイモンのソロなのだ。
あのアルバムを制作していた頃は二人の仲の悪さは頂点だったという点もよく指摘されている。この曲「ニューヨークの少年」だけはガーファンクルに歌わせたくない、俺ひとりで歌う、みたいな、サイモンの意地を感じるし、アート・ガーファンクルは(あくまでわたしに言わせれば)サイモンのような「天才」ではないので、あとあと10年も20年もたっても残るであろう「本当に偉大な曲はどれか?」なんて勘がはたらかなかったのではないかという気もする。
明日に架ける橋がとてもよかった
★★★★★
「明日に架ける橋」は荒れ狂う河にかかる橋のように、この一身を横たえて、君を守ろう。という意味のようですね。メロディー、歌声が申し分ないくらい透明で美しいですが、意味も含めて聞くと、言いようのない感動に震えました。